番外28話『運命の分かれ道』
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てくれないようだ。けどその通りだ。確かに今はなにがあったか、よりもロビンの命を心配した方がよさそうだ。もしかしたら今帰ってきてないルフィたちはそのロビンが氷漬けになった原因をなんとかしようしているのかもしれない。
お湯をかける。
かける。
かける。
かける。
必死になってお湯をかける。ただ無言で、ただひたすらに。ロビンの命が無事によみがえることを願いながら。
「チョッパー!」
ゾロの声が急に聞こえた。あいつの声も切羽詰ってる。
状況がわからない。
俺がうたたねしてる間になにかあったことだけは確実だ。なんというかいきなりすぎるみんなの態度の変化、ロビンの命の危機に俺の感情が追い付いていない。心配だし、混乱してるし……本当に何があったんだろうか?
「二人とも頼む!」
「……っおう」
お湯をかけながらも、チョッパーの声で意識が現実に戻された。そうだ、今はロビンだ。
お湯をかける。
ウソップと一緒になってロビンにお湯をかける。
少しずつ、ほんの少しずつだけどロビンが溶け始めている。けどまたほとんど全身凍っているような状態だ。
くそ……本当になんだこれは? どうなってるんだ?
「ロビンは大丈夫!?」
チョッパーと一緒にナミも入ってきた。
みんなでロビンにお湯をかけようにも桶が一つ足りない。
ウソップが「みんな帰ってきたのか!? すぐに逃げる準備したほうがいいんじゃないか!」と桶をナミに渡しながら、まるで半泣きのような声色だ。
「ううん……ルフィがまだ」
「なに!? じゃあなんであいつら帰ってきたんだ!」
言いづらそうなナミを押しのけて、甲板へとウソップが駆けていく。ナミならばいったい何があったか教えてくれるんじゃないだろうか。お湯をかけながらもナミに尋ねようとして――
「――なんでお前らここに!? ルフィは!? 青キジは!?」
ウソップが叫んでる声が聞こえた。
「青……キジ?」
知ってる。俺はその名前を。
師匠と一緒に賞金首の海賊を引き渡しに行くとき、一度だけ会ったことがある。
3大将のうちの一人で、師匠曰く、師匠でも勝てないだろう男。あれは白ヒゲさんに会う前の出来事だったから、俺が人生で初めて会った師匠よりも強い男だ。だからこそ会話をしたことなんかないけど、頭の悪い俺でも覚えている。
ナミとチョッパーを見つめると、やっぱりなんでか俺から目をそらす。つまりは、本当に青キジが出てきたってことなんだろう。
急に吹いてきた冷たい風や氷漬けのロビン。
それらの疑問が文字通り氷解した……あれ、なんかうまいこと言っちゃった? なんて冗談を考えている時間すら惜しかった。
「っ!」
「だめ、ハ
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