番外28話『運命の分かれ道』
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気にするだけ無駄という奴だ。
何に焦っていたのか、いや全く。
わけのわからない焦りを覚えていた自分に苦笑してまた目を閉じる。
今となってはこの冷たい風も、なんだか心地よく感じた。
ハントが苦笑していた頃、事態は彼の胸騒ぎのとおりに進み始めていた。
ハントが見聞色の網で首を傾げた謎の8つめの人物。
トンジットとシェリーを海上でも歩けるように、海面をごっそりと凍らせたしたその人物。
海軍でも最高戦力の一人として謳われる男。
大将青キジ。
それが言う。
「俺がここへ来たのはモンキー・D・ルフィ、お前とニコ・ロビン、それにハントの野郎を一目見るためなんだが」
「……ハント?」
「あぁ……まぁ、いいんだ。ハントに関しちゃ単なるもののついでだ。それより今はお前らだ。やっぱ――」
ハントにも用があるという言葉に一同が驚いた顔をするものの、それらの一切の言葉を呑みこませるほどの言葉を、青キジは言い放つ。
「――今死んどくか」
「!?」
つい数秒前まで見せていた彼のどこか腑抜けた態度からのあまりの急変ぶりに、全員が動きを止めた。
「政府はまだまだお前たちを軽視しているが細かく素性を辿れば骨のある一味だ。少数とはいえこれだけ曲者が顔をそろえてくると後々面倒な事になるだろう。初頭の手配に至る経緯、これまでにお前たちのやってきた所業の数々、その成長速度……長らく無法者どもを相手にしてきたが末恐ろしく思う。特に危険視される原因はお前だよ、ニコ・ロビン」
ロビンを睨む青キジに、ルフィが「お前ぇ、ロビンを狙ってるんじゃねぇか! ブッ飛ばすぞ!」と啖呵を切るが、それを向けられた青キジはそれらを無視。ロビンへと言葉をつづける。
「懸賞金はなにもそいつの強さを現すだけのものじゃない。政府に及ぼす危険度を示す数値でもある。だからこそお前は8歳という若さで賞金首になった。子供ながらうまく生きてきたもんだ、裏切っては逃げのびて取り入っては利用して……そのシリの軽さで裏社会を生き延びてきたお前が次に選んだ隠れ家がこの一味というわけか」
「おいてめぇ、聞いてりゃカンにさわる言い方するじゃねぇか……ロビンちゃんに何の用があるってんだ!」
「やめろ、サンジ!」
ヒートアップするサンジを止めるウソップ。
ルフィだけでなくサンジも剣呑な雰囲気を醸しだすのだが、やはり青キジはそれらを気にせず、質問にだけ答えて言葉を続けていく。
「別に恨みはねぇよ……因縁があるとすりゃあ一度取り逃がしちまったことくらいか、昔の話だ。お前たちもその内わかる、厄介な女を抱え込んだと後悔する日もそう遠くはねぇさ。それが証拠に今日までニコ・ロビンにかかわった組織はすべて壊滅している。その女一人を除いて、だ
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