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日向の兎
1部
39話
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かな?」
「それは失礼。ネジ、そろそろいいだろう」
「ええ、ここまで治して貰えれば十分です」
ネジはそう言って立ち上がり、失ったチャクラを補充するためにポーチから兵糧丸を取り出して、不機嫌そうな表情でそれを口に放り込んだ。彼が口に入れた兵糧丸は市販の物で、チャクラや体力を回復する薬効はあるのだが、そう美味い物でもないのだ。
いや、不味いという訳ではないのだが、味がどうにも癖が強いんで、それの合う合わんだけなのだがな。言うまでもないが、ネジは合わんようだ。因みに私もあまり好かん。
いくら体力やチャクラが回復しても、その分士気が下がるような味ではな……とはいえ、自作の兵糧丸は味の面では及第点なのだが薬効が幾分下がってしまった。
一度、丸薬作りの薬師を見つけて色々と聞いてみるとするか。
そんな事を他愛なく考えていると、掲示板に次の試合内容が発表された。
ロック リー、我愛羅
「……これはマズイな」
半ば無意識にそんな言葉を漏らしてしまった。
「どういうこと?」
「あの我愛羅という男、異常に用心深いのか、あの防御はそうそう破れるものではないぞ?」
テンテンは私に言われて彼を見たが、不思議そうに首をかしげるばかりで何かに気付いた様子はない。それもそうか、彼が自身の体に鎧の如く貼り付けている砂はその色合いを変えて、一見では砂だとは悟らせぬようになっている。
お陰で彼の鎧の有無を調べるには写輪眼か白眼、それに匹敵するレベルのチャクラ感知能力でも無ければ直接砕いて調べるしかない。
加えて、あの鎧の構造も厄介だ。一撃で割れるような強度でこそあれ、一撃分の衝撃を殺すような構造だ。
あの鎧の展開速度は分からんが、彼にダメージを与えようとすれば同じ箇所に二発叩き込まねばならん。彼が無抵抗であればそれは可能だろうが、戦闘中に短時間の内に同じ箇所に二発というのは相当な難易度だ。
「彼は全身に薄くではあるものの砂を纏って常時防御している。その上、背中の瓢箪には私の弁財天と似たタイプの砂を十分な量を備えている。
砂という固体を扱う事もあり弁財天より消費すりチャクラは多いだろうが、攻防両面は数段上だ。
鎧に背中の砂、さしずめ彼は鉄壁の城塞といったところだな」
「物理防御可能な弁財天にセーフティガード的な鎧……リーの速度なら盾は対応できるけど、鎧がネックね。
となると、蓮華は?」
「通る可能性はあるが、一撃では決まらん。背中の砂の挙動が弁財天と同じであるのであれば、最後の一撃を着地点に砂をクッション代わりにした上での鎧の防御が可能になる。
そうなってしまえばダメージは与えられるだろうが威力は著しく削られ、蓮華の反動でリーの方がダメージを受ける結果になるだろう」
「じゃあ、どうするの?」
「勝てる道が無いわけではないが、
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