第2話
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る意味まともではないが、比企谷と比べれば……比べるのが失礼になるほどまともな人間だよ」
「おい、あんた教師だろ。さりげなく生徒のことを罵倒していいのか」
「君もすでによく知っていると思うが、比企谷の根性や性格は捻くれている。故にまともな君とは衝突することが多々あるだろう」
「そうですね。ですが、私と比企谷くんが衝突しても何も問題ないのでは? 勝負を行っているわけですし。そもそも、勝負の話を持ち出したのは先生だったはずですよ」
え、そうなの……なら俺がいる意味はないんじゃないかな。衝突することが公認されているなら貧乏くじを引く役目もいらないだろうし。
そもそも、俺ここに入部するとは一言も言ってないんだけど。平塚先生との約束を果たすためについてきただけで。それにさ、ここって結局何部なわけ?
「確かに……だが君と比企谷が対立するあまり、相談相手がそっちのけになったり、下手をすると暴力沙汰になる可能性もある。ストッパー役は必要だろう?」
「比企谷くん相手にそれほど熱くなるとは思えませんが、まあ彼も一応男子ですし、愚かにも私に襲い掛かるという行動を取らないとは限りませんね」
平塚先生は肯定的にも取れる返事にそうだろうそうだろうと何度も頷く。
一方……先ほどから何度も毒を吐かれている比企谷はというと、「そんな真似しねぇよ!」と内心で思っていそうな顔で雪ノ下を睨んでいた。まあ当然の反応だろうが。
「ですが……」
「なあ雪ノ下、どうしてそこまで夜月の入部を嫌がる? 君達は知り合いなのだろう。……あれか、君は夜月のことが」
「先生……寝言は寝てから言うものですよ」
雪ノ下は冷たく鋭い視線を平塚先生に向ける。絶対零度の表情というのは、きっとこのような顔を言うのだろう。
怖い……怖すぎる。人ってこんなにも冷たい顔をできるもんなんだな。
というか平塚先生、あなたは本人が居る前で何を言おうとしてくれたんですか。別に雪ノ下と付き合いたいとか思ってないですけど、あなたはここに俺を入部させたいわけでしょ。何で入部前から気まずい空気になりそうなことをするんですか。
あれか……こういう気遣いのなさが結婚への道を遠ざけているのか。納得できない理由がないだけに思わず口に出してしまいそうだ。
「……まあいいです。彼が自分から入りたいと言っているのであれば、別に拒む理由もありません。比企谷くんとふたりっきりというのも問題がありそうですし」
「ないだろ、ここ何日か過ごしてきたけど何もなかっただろ」
「何も? 気まずい空気はあったでしょう。正直に言って、あなたとふたりでいるというのは、私がこれまでに経験した空気の中でも最悪の部類に入る居心地の悪さだったわ」
「そいつはどうもすみませんでしたね」
「ええ、まったくだわ」
「こ
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