暁 〜小説投稿サイト〜
ソードアート・オンライン 蒼藍の剣閃 The Original Stories
ALO編 Running through to take her back in Alfheim
Chapter-14 障壁を乗り越えて
Story14-3 すれ違う気持ち
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第3者side


「もう一度……アスナに」

その言葉はリーファに一つの疑問を与えた。

「今、なんていったの…………?」

「アスナ……俺の探してる人だよ」

その言葉が決め手だった。リーファの脳裏で、自身の兄と目の前の黒衣のプレイヤーの姿がダブる。

「お兄ちゃん……なの…………?」

「え……?」

キリトもその言葉で、同行者が誰なのか……察知したようだ。

「……スグ……直葉…………?」

キリトも、ほとんど音にならない声で自身の妹の名を呼ぶ。

「……酷いよ……あんまりだよ、こんなの…………」

リーファはうわ言のように呟きながら首を横に振る。そして、キリトから目をそむけて左手を振り、その体から意識を失わせるボタンを押す。

リーファはログアウトしていく。まさかの出来事にキリトは声を出すことが出来ず、沈黙に包まれた。














◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆













和人はALOからログアウトしたあと、直葉の部屋の前に来ていた。

ノックをして、呟く。

「スグ、いいか?」

「やめて……開けないで!! 一人に……しておいて…………」

「どうしたんだよ、スグ。そりゃ俺も驚いたけどさ…………またナーヴギアを使ったことを怒ってるなら謝るよ。でも、どうしても必要だったんだよ」

「違うよ、そうじゃない。

あたし…………自分の心を裏切った。お兄ちゃんを好きな気持ちを裏切った。

全部忘れて、諦めて、キリト君のことを好きになろうと思ってた。ううん、もうなってた。

それなのに…………!」

「好きって言ったって…………俺たち…………」

「知ってるの……あたしとお兄ちゃんは、ほんとの兄妹じゃない。あたしはそのことを、もう2年前から知ってるの!!」

止めなければいけないという考えが直葉の頭をよぎるも、もう止められない。

「お兄ちゃんが剣道辞めて、あたしを避けるようになったのは、ずっと昔からそれを知ってたからなんでしょ? あたしがほんとの妹じゃないからって遠ざけてたんでしょ? なら……なら、なんで今更優しくするのよ!!」

言葉の奔流は止まらない。留まるところを知らなかった。

「あたし……お兄ちゃんがSAOから戻って来てくれて嬉しかった…………小さい頃みたいに仲よくしてくれて、すごく嬉しかった。ようやくあたしを見てくれたって……そう思った。

でも、こんなことなら冷たくされたままのほうがよかった!!

それなら、お兄ちゃんを好きだって気付くことも……アスナさんのこと知って悲しくなることも……あの世界をもう1つの現実だって思うことも……
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