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ソードアート・オンライン 蒼藍の剣閃 The Original Stories
ALO編 Running through to take her back in Alfheim
Chapter-14 障壁を乗り越えて
Story14-3 すれ違う気持ち
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レコンは顔を傾け、リーファに覆い被さらんばかりに身を乗り出して接近を続ける。


「ちょ……ま、待っ……」


顔にレコンの鼻息を感じるまで肉薄され、漸くリーファは金縛りから回復して左拳を握った。


「待ってって……言ってるでしょうがっ!!」

叫ぶと同時に体を捻り、全力のショートブローをレコンの鳩尾に叩き込む。

「ぐほェ!!」


街区圏内であるゆえ数値的ダメージは通らないがノックバックは発生し、レコンは1メートルほど浮き上がったのち、どさりとベンチに落下した。

そのまま腹部を両手で押さえつつ苦悶の声を上げる。


「うぐぐぐ……ひ、酷いよリーファちゃん……」

「ど、どっちがよ!!

い、いきなり何言い出すのよ!」


漸く顔がかーっと熱くなるのを感じながら、リーファはまくし立てた。

危うく唇を奪われるところだったと思うと、怒りと恥ずかしさが相乗効果でドラゴンブレスの如く燃え盛り、とりあえずレコンの襟首を掴み上げると右拳を更に数発ドカドカと見舞う。

「うげ!うげぇ!ご、ごめん、ごめんって!!」


レコンはベンチから転げ落ち、石畳の上で右手を翳して首をぷるぷると振った。

リーファがとりあえず攻撃姿勢を解除すると、レコンは胡座をかいて座り込み、がっくりと項垂れる。


「あれ〜おっかしいなあ…………

あとはもう僕に告白する勇気があるかどうかっていう問題だけだったはずなのになあ……」

「……あんたって…………ほんっとに、馬鹿ね」

「うぐ……」


叱られた子犬のようなレコンの傷ついた顔を見ていると、呆れるのを通り越して笑いがこみ上げてきた。

ため息と笑みの混合したものを大きく吐き出す。

同時に、すーっと胸の奥が軽くなったような気がした。


リーファは肩の力を一度抜き、空を見たままぽつりと言った。


「でもあたし、アンタのそういう所、嫌いじゃないよ」

「え!?ほ、ホント!?」


レコンは再びベンチに飛び上がると、凝りもせずにリーファの手を取ろうとした。

「調子に乗んな!」

その手をすり抜けて、リーファはすいっと空に飛び上がった。


「あたしもたまにはアンタを見習ってみるわ。

ここでちょっと待ってて。

付いてきたら今度こそコレじゃ済まさないからね!」


ぽかんとした顔のレコンに向かってしゅっと突き出した右拳を開き、ひらひらと振ってから、リーファは体を反転させた。

そのまま翅を強く震わせ、世界樹の幹目指して高く舞い上がった。















Story14-3 END
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