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ソードアート・オンライン 蒼藍の剣閃 The Original Stories
ALO編 Running through to take her back in Alfheim
Chapter-14 障壁を乗り越えて
Story14-3 すれ違う気持ち
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…キリト君を好きになることも無かったのに!!」
すさまじい絶叫の後、嗚咽とともに息のする音も聞こえる。
「……ごめんな」
「……もう放っておいて」
その言葉を最後に乱暴にドアを閉める音が響いて、いつも以上に静かな空気がこの場を支配した。
ピンポーン
彼が来たのは……そんな時だった。
◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆
聖音side
ちょっとした用事を終え、俺は桐ヶ谷家の前に立っていた。
「それなら、お兄ちゃんを好きだって気付くことも……アスナさんのこと知って悲しくなることも……あの世界をもう1つの現実だって思うことも………キリト君を好きになることも無かったのに!!」
桐ヶ谷家から、外まで聞こえる声が響いていた。カズとその妹、直葉に何かあっただろうことは容易に想像出来た。
やがて言葉が消え、俺はインターホンを押した。
ピンポーン
数秒後、扉が開く。
「おっす」
「なんだ、セイか……もしかして、今の聞いてたのか…………」
「最後の方だけな。何かあったのか?」
「ああ……まぁな」
「よかったら、俺が話聞くぞ? 溜め込んでも何もいいことないからな」
「…………まぁ、上がれよ」
そういってリビングに通された俺が聞いたのは……かなり複雑なものだった。
カズの口から話されたこと…………それは、今ここにいる桐ヶ谷和人と桐ヶ谷直葉は実の兄妹じゃないということだ。
カズは小さい頃、両親が亡くなってしまい叔母夫婦に引き取られ今まで育ってきた。
それが原因で、カズは人との距離感がわからなくなったとのことらしい。そのせいで和人の今の両親が冷たく接したか、というとそうでもなく変わらず愛してくれたからショックというのは受けなかったらしい。
それでも和人の心に根強く芽生えたのは、相対した人に対して生ずる『この人は一体誰なのか』という小さな……でも考え直すと大きな疑問だ。
この疑問がカズに壁を作ってしまったらしくネットゲームへ向かわせた1つの理由かもしれない、とも。
「……でもあのゲームで俺は……気付かされたんだ。
どっちも本質は変わらないことに」
「俺もあの世界で気づいたよ。自分が生きてる世界がどこであろうと、そこは自分の今なんだってことに」
現実世界と仮想世界、何が違うかといえばログアウトできるか出来ないかという1つのみ。
でも、SAOは違う。ログアウトという唯一違うものが無くなった世界……あの世界は現実世
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