先生。
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生が倉庫を壊したのも、元を辿れば僕の責任ですし。
まあ、まだ稼げないので、借金という形にはなりますが。
今から冒険者になり、経験を積んで、全て払えるようになったらすぐさま清算するので。
どうせなら、アイリ先生を雇うお金も、僕が全額負担します。
信じてください。
お願いします」
俺は頭を下げた。
父さんは少し間を空け、言った。
「……本当に、払えるのか?」
「……分かりません。
でも、出来る限り頑張ります。
それで例え死んだとしても、文句は言えません。
僕が、自分で決めたことですから。
もちろん、悔いもありませんよ」
聞こえるのはそよ風の小さな音。
部屋が異常に静かなせいか、やけにそれは大きく聞こえた。
今、時計の針がカチッと軽快な音を立てた。
父さんが言葉を発した。
「……アイリさん、あんたの負けだな」
「……はい」
アイリ先生に向けられた言葉らしい。
アイリ先生の方を向くと、先程と変わらずドアの前にいた。
しかし、肩の部分が少しだけ震えているのが分かった。
「と言うことは、つまり、アイリ先生は罰金も解雇も無しということですか?」
「それでもオレは別に良いけどな」
「私もそれで良いと思うわ」
俺の言葉を肯定する両親。
つまり。
俺の言い分が通った。
「あ、ありがとうございます!
父さん母さん!」
「父さん母さんって何だよ」
あ、本音が漏れた。
部屋は笑いに包まれた。
さっきの雰囲気とは、真逆になった。
明るい雰囲気。
……俺は、こういうのを大切にしていきたいな。
でもまあ、取り敢えず、アイリ先生と一緒に勉強できるのだ。
こんなに嬉しいことは無い。
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