番外編035話 if 真・恋姫無双編 05話
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々と挑めばよい。すぐにでも逃げていくだろうよ」
「馬鹿を言うな、馬鹿を。確かにそれでも負けるとは思えないが、こちらにも大きな被害が出るのは間違いないぞ」
「それは確かに。では、どうやって攻める? こうして陣を張ったのはいいが、無駄に時間を掛ければ糧食の類が足りなくなる」
「それはそちらの都合だろう。そもそも糧食が足りないというのは、軍を率いる者としてどうなのだ? もしや、懐に入れたのではあるまいな」
「儂を侮辱するか!」
「侮辱されるような行動を取っているのだから、当然であろう? 全く、どこぞの盗賊と呼ばれた者と同じような事をしおって」
諸侯の会話を聞いていた曹操が、会話の中で自分を当てこするようにして出てきた内容に眉をピクリと動かす。
だが、それでもここで口を出さずに沈黙を保ったままなのは、やはり現在の自分の状況をよく理解しているからこそだろう。
……もっとも、例によって例の如く猫耳頭巾を被った少女は、曹操に当てこするような事を口にした相手を睨み付けていたが。
「いい加減にしなさい!」
そんな中、天幕の中に鋭い声が響き渡る。
その声の主へと皆の視線が集まるが、そこにいたのは小柄で眼鏡を掛けた少女。
その小柄な身体には似合わない鋭い視線で、軍議に参加している者達を睨み据えている。
「さっきから聞いていれば愚にも付かないような事をグチグチと……今、話す必要があるのは、どうやったら黄巾党を倒せるかでしょう?」
そう告げ、胸を張る少女。
その迫力に、つい先程まではお互いに腹の内を探るかのような会話をしていた諸侯はどこか気まずげに視線を逸らす。
そんな様子の諸侯を一瞥した少女は、小さく溜息を吐いてその視線を雪蓮達の方に向けて口を開く。
「一応挨拶しておこうかしら。僕は賈ク。何進大将軍からの要請で官軍の指揮を執っているわ」
官軍の指揮、と聞いて雪蓮が拱手をしながら頭を下げ、口を開く。
「挨拶が遅れまして申し訳ありません。私は荊州太守の袁術殿より派遣されました、孫策と申します。こちらは私の部下でもある周瑜と、客将のアクセル・アルマー」
そんな礼を取る雪蓮に合わせるように、冥琳とアクセルも同じように拱手をする。
だが天幕の中にいた者達は、アクセルの名前が紹介された時に微妙な表情を浮かべていた。
それも無理はないだろう。この中華の地では異質の響きを持った名前なのだから。
また、先程曹操を相手に盗賊呼ばわりや見た事もない服装であるのも手伝い、天幕の中にいた者達の視線を一身に浴びている。
しかし、アクセルはそんな視線など全く興味がないとばかりに飄々とした態度を示しており、寧ろ自分に視線を向けている相手を観察するような余裕すらも持っていた。
てっきり劉備陣営もいる
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