31話 『蒼き力』
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通る大剣・クリスタルブレードが握られていた。
……それを頭上に掲げると、濁った海中に光が射し込んでゆき人魚エマを襲っていたピラニアの群れはその光で消滅し、他4人の仲間は視界が戻り体勢を立て直すが人魚のエマは、水のクリスタル祭壇の傍らに沈み込む。
「"なぁレフィア、あの人魚……!"」
「"分かってるわ、あたしが回復する"」
ルーネスとレフィアは、人魚の元に泳ぎ向かった。
「"ふわぁ、ランクさんの体が青白い光に包まれて、別人みたいでスよっ……!"」
「"キレイな剣………。あれって、水のクリスタルの欠片の力────?"」
放心したように驚き見上げるビルとシファ。
《フオ゛ォ!? ソノ清浄ナ光ハヤメロオォ゛……! 消シテヤルゥ、コロシテヤルウゥ?!》
「"こちとらテメェなンぞに………構ってるヒマねーンだよッ!!"」
ランクの大剣・クリスタルブレードの縦ひと振りで真っ二つになった水のカオスは、巻き起こった光の渦と共に跡形もなく消え失せ、それを見届けるかのようにランクの左手に握られていた大剣は水の泡と化して消失し、体を包んでいた青白い光も治まった。
「"────エマ!"」
祭壇の傍らに沈み横たわる人魚と、そのそばにいるレフィアとルーネスの元へ弾かれたように海中を降下するランク。
「"おいお前ら、エマは────"」
「"全身に受けていた浅い傷は回復できたけど、意識を戻さないのよ………"」
「"このまま死ぬなんて事、ないよな。何とかしてやれないのか……!?"」
苦しげに瞳を閉ざしたままの人魚を、心底案じたように見つめるレフィアとルーネス。
「"わたしも、白魔法かけてみる……!"」
「"待ってくださいシファさん、たぶん白魔法の回復だけじゃダメなんでス。……ランクさん、水のクリスタルの輝きを取り戻すなら今でスよ?"」
ビルから促されるように云われ、ハッとするランク。
「"そ、そーだったなッ。で、どーすりゃいいンだ……?!"」
「"落ち着いてください、ランクさんっ。水のクリスタルの祭壇に近づいて、欠片を掲げるんでスよ"」
「"あぁ、そーか。ビルが前にやったみてェに────そういや、マゥスンはやってねェんだよな………"」
火のクリスタルの欠片を砕かれた時のマゥスンを思い出し、胸の奧が締め付けられてランクはうつ向く。
「"ちょっとランク、そこで落ち込んでどうするの? ……ほら、他の人魚達も待ってるよ。水のクリスタルに輝きが戻るのを"」
励ますように云うシファの言葉に押され、ランクは祭壇に近づき水のクリスタルの欠片を左手の平に出現させ、黒ずんだ六角長形の大きな水の源のクリスタルに掲げた。
────欠片の
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