31話 『蒼き力』
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────おれはイカタコヤローが大っキライなんだ、さっさと片付けてやる!"」
戦士のルーネスが長剣短剣の二刀流を駆使して触手だらけの巨体に斬撃を喰らわせてゆく。
「"何だアイツ、妙にやる気出しやがって……。そうだ、あの人魚は────"」
ランクが目で探すと、エマという白銀の長い髪の人魚だけはクラーケンの触手に捕らわれたままでいた。
「"クソヤローが……! その人魚を放しやがれッ!"」
ランクも二刀の短剣グラディウスで幾つもの触手に斬りつけてゆき、レフィアは片手剣に雷属性を付加させて攻め、ビルは物理攻撃力を増幅させる黒魔法、シファは補助系白魔法を使って皆をサポートする。
《ワレノ人魚、ワレノ娯楽ヲ奪ワセテナルモノカ……!? コレデモ喰ラエ!!》
『あ、ダメ……!』
おぞましく裂けた口から突如、濃密な墨を吐き出し5人の視界を奪うクラーケン。
「( ………ッ?! くそ、何も見えねェ! イカヤローはどこだ……!?)」
「"あぁ……!"」 「"ひゃあっ……?!"」
「"ぐ……!"」 「"あぅ……っ"」
他の皆の苦しむような声が聞こえても、視界は暗闇に閉ざされ何がどうなっているのか分からず、ランク自身も何かに体が押し潰される感覚に襲われ、回復する間も与えず水圧で動きを失わせた上クラーケンは触手で何度も鋭く5人を打ち付ける。
《水ノクリスタルノ欠片ヲ司ル者ヲ消セバ、ワレノチカラハ増ス……! 海ヲ荒ラシ、汚水ヲ広ゲ……陸ヲ水没ニ追イ込ミ、愚カナ人間ヲ死滅サセル! ソレコソ、カオスニ相応シキ暗黒ノ世界……!!》
『 ────そんな事、させない!』
人魚エマから光が迸り、電流となってクラーケンに伝わり捕らえられていた触手から解放され、5人への一方的な攻撃をやめさせる。
《フオォ?! ドウイウツモリダ……エマ!》
『雷の力が封じられた[珊瑚の指輪]……。あなたの目を盗んで、この神殿内で見つけた物です。────これだけではあなたを倒せなくても、私はもう云いなりにはならない。これ以上、海の生き物やその人達を苦しめないで!』
《ワレノ娯楽ゴトキガ……、逆ラウナ! 思イ知ラセテクレル……!》
クラーケンが呼び寄せたのは、小型で群れを成す凶暴な海魔(かいま)ピラニア。
《死ナスデナイゾ! ジックリト痛メツケ、ワレニ逆ラエバドウナルカソノ身ニ刻ミツケテヤルノダ……!!》
[珊瑚の指輪]の電撃で退けてもピラニア達は鋭い牙をむき、浅いながらも人魚エマの全身を傷つけてゆく。
「"────ざけてンじゃねェぞ、このクソイカヤローが………"」
海底神殿の床に沈み込んでいたのからつと浮上したランクの左手には、光渦巻く水流と共に出現した蒼く透き
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