番外27話『レディ〜イドーナツ!』
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いうものになっても、そうそうナミの顔を見慣れられるものではないらしく、ハントはそっぽを向き、内心とは裏腹の照れ隠しの言葉でどうにか冷静を装う。そんなハントの態度に、普段のナミならばいとも簡単に看破してそれをからかうのだろうが今のナミの関心はそこにはないらしく、ハントの顔を覗き込んだまままた質問を。
「あの馬を取り返したくてハント、良くない体で頑張ったんだ?」
「ん? いやまぁ、あとあいつらにムカついてたのもあったし。べ、別にいいだろ? レースでもちゃんと無茶しなかったし、それに自分で言うのもなんだけど怪我人なりの最低限の活躍はしたと思ってるぞ?」
「……そうなんだけど――」
「そうなんだけど……え、なんでそこに意味深にこっち見んの? あれ、俺あんまり役立ってなかった? そ、それともなんかナミにとって嫌なことまた気づかない内にやっちゃった? 気を付けてるつもりだったんだけど」
モックタウンでやってしまったような気遣いの足りなさがまたあったのかと、オロオロとし始めたハントの行動にナミがそっと笑みを浮かべて「ううん、違うわよ」と首を振る。その反応に露骨にホッとした様子を見せたハントを見つめながら、ナミは浮かべていた笑みをさらに深くする。
「そういうんじゃなくて……何て言うのかな。ちょっとだけ、ハント変わった気がして」
「……え? 変わった? 俺が?」
「なんて言えばいいのかはわからないけど……でも、前のハントならたぶんチョッパーに止められたらそこで終わってた気がする。だから……うん、私が思ってるハントよりちょっと男らしくなった気がする」
「……そう、か? 自分だとあんまりわからないんだけど」
「うん、多分だけど……変わった」
頬をポリポリと掻き「そ、そっか」と、まんざらでもなさそうな様子でハントが頷く。それからフとナミへと視線を向けて、今度はハントが、少しだけ恐る恐ると言った様子でナミへと問いかけた。
「……ナミは前の俺のほうが良かった?」
ハントの問いに、ナミは目を丸くさせて、それから首をひねり、ハントへと視線を真っ直ぐに返してから言う。
「ううん、私はハントがハントならそれでいいから、どっちでも好きだけど……あ、けど今のハントはいい顔してるから。そういう意味だとちょっと変わってかっこよくなったかも」
「え」
「あ、でもあんまり心配させるのはやめてよ? 今日ぐらいだったらいいけど、あんまりひどいと流石にちょっとひいちゃうから……っていうか心配になるから」
ナミらしからぬ、いや、逆にナミらしいのかもしれないドストレートな言葉。好きという言葉にかっこよくなったという褒め言葉。加えて心配になるという言葉。ドストレート3連発にハントが顔を真っ赤にして「あ……うん、えっと……気を付けます」と、どこの
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