番外27話『レディ〜イドーナツ!』
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…俺のファンか! 有名人ってのも困りものだぜ!」
「なんでだよ! お前みたいな割れ頭のファンになるなら死んだほうがマシだ!」
自分勝手な結論に達したフォクシーを、ハントが全力で拒絶する。
「……それは……言い過ぎ」
「イヤン、オヤビン! ちょっと海坊主やめなさいよ!」
どうやら相当精神的に打たれ弱いらしい。隣にいたポルチェがフォクシーを慰めている。
『さぁさぁ、では待望の戦利品!』
司会者の声が、彼らの間に割って入った。
フォクシーとポルチェが悔しそうに顔を歪ませて、対照的にルフィとハントが互いの顔を一度見てから頷きあう。
「ちょ、ちょっと……私、別にあんな奴らから仲間ほしくないわよ」
そっと小声でいうナミに、ハントも頷いて「大丈夫、見てたらわかるって」とナミの肩を叩く。
全員が固唾を呑んで耳を傾ける中、ルフィは声高らかに宣言した。
「シェリー!」
「……」
その名前に、皆一様に呆気にとられた、言葉を失い、反応を失う。
白馬のシェリー。
トンジットの馬だったにも関わらず、フォクシーがそのシェリーを狙撃し、自分の馬になったという良くも悪くも海賊らしい言葉を言い放っていたことから、ルフィやハントにとって、シェリーは奪還すべき対象として気に留めていたのだ。
もともと、フォクシーたちからすればルフィたちの注意や闘争心を自分たちへと向けさせるために狙撃し、そう言っただけ。という意味合いのほうが強いのだろうが、それでもやはりトンジットとシェリーの絆を他の、しかも割れ頭のような海賊に邪魔されるのはルフィとハントにとっては気分の良いものではない。
フォクシーからすれば儲けものという気分だろうが、ルフィたちからすれば大事なことで、絶対に取り返さなければならないことでもあった。
「竹馬のおっさん、これでシェリーとおっさんはずっと一緒だ」
「ありがとうな」
ルフィへとトンジットが目に涙を浮かべてお礼を言う。
フォクシーたちは次のデービーバックファイトの準備に移っているため、もうここにはいない。ここにいるのは麦わら一味とトンジットとシェリーだけだ。一同が黙ってそれを見つめている中、ルフィと同様にうんうんと頷いていたハントへとナミが声をかける。
「……シェリーってあの白い馬のこと?」
「ああ、うん。本当は竹馬のおっちゃんと一緒にいるはずの馬なのに、いきなりあの割れ頭が銃で馬を撃って『今からこの馬は俺のだ』って言ったからさ……どうしてもあいつらの手からシェリーを取り返したかったんだ」
どこか嬉しそうにすら見えるハントの顔に、ナミが「ふーん?」と声を漏らして、ハントの顔をのぞき込む。
「な、なんだよ」
――び、びじ可愛い。
恋人と
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