番外27話『レディ〜イドーナツ!』
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フォクシーだ、また変なことをしてくるのだろうか。そう考えるナミ、ハント、ロビンの3人へと、フォクシーが自分の親指に中指と薬指をくっつけて、人差し指と小指をたてた状態の――いわゆる狐の形の――手を向けた。
「今更なにかしら?」
「さぁ、けどどうせまた子供だましよ、無視していっちゃいましょう!」
あくまでも無視して先に進もうとするナミと、ロビンも同様な気持ちなのかどこか呑気に首を傾げた。
鈍い反応でいる二人と同じくハントも似たような態度でいたのだが、どことなく嫌な予感を覚えて、最後ということもあって見聞色を発動して、その表情を驚愕に染めた。
「っ、ナミ、ロビン! 少し外れるぞ!」
「え?」
「ハント?」
呆けた二人へと、フォクシーは待ったなし。
「ノロノロビーーーム!」
ハントが見聞色で察知したそれを狐の指先から放った。
――っさせるかっ!
「魚人空手!」
それはもうハントにとってもほとんど反射行動だった。
タルタイガー号を守るようにノロノロビームの間へと体をすべり込ませて、そこで「千枚瓦正拳!」
拳を海面へと垂直に振り下ろした。
数メートルほどの高さにまで上がる水柱。そこへぶつかるノロノロビーム。
打ちあがった水柱が、まるで停止しているかのように遅い動きでゆっくりと、それはもう目には変化がないようにしか見えないほどにゆっくりと、海面へと戻り始める。
「んなにっ!? バカな! なんでわかった!?」
「なに、これ!」
「……水柱が停止してる?」
フォクシーが驚きの声をあげ、同様にナミとロビンも驚くなか、ハントがそっとタルタイガー号を牽引して、それでレース終了。
『勝者! タルタイガー号! デービーバックファイト一回戦「ドーナツレース」を制したのは、なんとなんとぉ! 波乱の大波乱! 麦わら一味、タルタイガー号だーーーー!』
「よっしゃー! よくやったぞお前ぇら!」
「ナミさんもロビンちゃんも素敵だったよー?」
「ハント、結構体張ってたけど大丈夫なのか?」
司会者の勝利者を認めたコメントで、順にルフィ、鼻の下を伸ばしたサンジ、ハントの体を心配そうにしているチョッパーが勝利を得た3人へと声をかける。
「にしてもノロノロビームってなに?」
「漁師さん、よくわかったわね」
「うん、まぁ……勝ててよかった」
体を動かしてある程度すっきりしたのか、レースに出る前のようなハントらしからぬ空気は薄れている。微笑すら浮かべてホッと一息をつくハントへと、今度は外野からフォクシーが現れた。
「おい、海坊主! おまえなんでノロノロビームのことを知ってやがる!」
「……いや別にノロノロビームなんて知らな――」
「――はっ、まさかお前…
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