番外27話『レディ〜イドーナツ!』
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…追いつけないからって私たちの真似を始めちゃったわ」
「ハハハ、人間がモンダに追いつけるかよ」
前方からバカにされているとも知らずに、ハントは自分が引っ張るタルタイガー号の強度に舌を巻いていた。
――なんか、俺が思ってたよりもずっと強度あるな、これ。
速度に強弱をつけたり、蛇行してみたりと。ゆっくりと前に進みながらも強度を確かめていたハントの感想がこれだ。
「どう、ハント」
「さすがウソップってところかも……これならある程度は」
「……いけそうってことかしら?」
「ああ……二人ともしっかり掴まってろよ? これぐらいの重さなら俺、結構速いから」
先ほど、飛んできた大岩を簡単に投げ返したハントが言うのだから説得力がある。ナミも、ロビンも珍しく何も言わずにタルタイガー号に掴まって、同時に「いいわ」とハントへのGOサインを出した。
「おっしゃ!」
掛け声とともに、ハントが急加速。
「いや〜〜〜〜っ!」
あまりの急加速ぶりにナミの悲鳴をまき散らしながら、タルタイガー号が一気にキューティーワゴン号を抜き去り、そのまま爆進していく。
当然、慌てるのは急に追い抜かれたキューティーワゴン号だ。
「ええ!?」
「嘘だろ! なんだあのスピード!?」
「シャッ!?」
「いやん、このままじゃ負けちゃう」
「海坊主を少し甘く見すぎてた! ポルチェちゃんしっかりつかまってな!」
「頼むわよ!」
「合体! 魚々人泳法!」
モンダがカポーティの下半身のみを呑みこんで、合体完了。
魚人の筋力とサメの尾ひれで、エンジン倍速となってタルタイガー号を追いかけ始めた。
ただし、速度としてはこれで5分5分といったところで、それを感じ取ったタルタイガー号は安堵の息を漏らした。
「良い感じよ、ハント!」
「ボートがもつならこのまま楽にゴールできるんじゃないかしら」
「……いや、でもなんか前方に見えてきた」
泳ぎながら前を見て警戒する言葉を漏らしたハントの言葉通り、彼らの行く先にはこの島の特色どおりの随分と長いサンゴ礁が待ち受けていた。
「ホント……なあに? あのあの長く突き出たサンゴ礁」
「見て、あれのせいでおかしな海流が生まれてるわ、むやみに突っ込まない方がいいかも」
「あ、でもあんまりのんびりとしてたら追いつかれるぞ?」
「……ハント、ここを通り抜けるまではタルタイガー号に乗って!」
「……え? けど」
「いいから早く!」
「お、おう」
ナミの指示通り、ハントがボートの上にまでよじ登った時、タルタイガー号の背中にまでキューティーワゴン号が追いついた。
「先にいかせてもらうわよ」
ポルチェの言葉通り、未だに足踏みをしているタルタイガー
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