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牙狼<GARO>―黄金の嵐(かぜ)―
第一章「失われた黄金」
#2、銀-Zero-
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スを破って逃げ出した』
「ああ、こっちでも確認した」
 式場があるビルの外、慎之介からかかってきた電話に答えながらレオンは上を向く。上には落下していく花嫁の姿が見えた。
『そうか、なら話ははえぇ。とどめは任せたぜ』
「分かった」
 そう慎之介に答え、電話を切ってしまうと二振りの剣を抜き放つ。
「俺たちも始めるぞ」
『了解よ、レオン』
 相棒(シルヴァ)にそういい、その双剣を天にかざし円を描く。円から光が溢れだし、銀色の鎧がレオンの体に装着される。

ビキッ!バキバキッ!!

 全身に装着されると同時に左半身がひび割れていく。その割れ目から紅蓮の炎を吹き出して。
「うぅぅぅぅぅぅ・・・うおォォォォォォォォォォォォォォォォッ!!!!」
 月夜に照らされて咆哮を上げる銀色の狼。かつて黄金騎士と共に戦った伝説の魔戒騎士が一人・・・その名は・・・。
『銀牙騎士・絶狼(ゼロ)
「ッ!?」
 此方に気づいた花嫁がブーケをかざし光弾を放つ。だが、それに怯む絶狼ではない。
「ふっ!」
 地面を蹴って飛び上がり、その両手に持った双剣・銀狼剣で光弾を切り裂く。そしてそのまま、重力に引かれる事無くあがっていく。体から噴出す炎を推進力にして。
「ひ・・・ひぃぃぃっ!!?」
 こちらに近づいてくる絶狼に恐れをなし更に光弾を撃つ。撃つ。だが、絶狼に当たりはしない。絶対に。
「うおおおおおおおおおおおおおおおおおおっ!!!!」
 雄たけびを上げ、花嫁に肉薄するとそのまま銀狼剣でクロスさせるように斬り裂いた。そして、花嫁は断末魔の悲鳴を上げ消滅する。
「・・・ふぅ」
 窓ガラスを破った場所に着地し、鎧を解除する。
「お疲れ、レオン」
「・・・ああ」
 にこやかに笑みを浮かべる慎之介にレオンはフッ、とかすかに笑みを浮かべる。
パシン。
 そして互いにハイタッチ。
「ちょっと、暢気にハイタッチしてないで会場の人たちの記憶消去手伝ってよー!」
 ふと声がかかり見やると、アンナが一人で会場に来ていた人たちの記憶消去をやっていた。
「おっと、ホラーを倒せたから安心しきってこってり忘れてたな。分かった、今行くぜ」
「『『それを言うならうっかりだろ?(でしょ?)』』」
 アンナに返答する慎之介のいい間違いにザルバ、レオン、シルヴァは異口同音でツッコミを入れたのだった。

―話は変わって、別の場所。

『ハァ・・・ハァ・・・。ロルゾユシチバチッケリカザ・・・ナタサジユザシチナゲサツサペイシケリカコバ・・・(訳:黄金騎士は知っていたが真逆、銀牙騎士まで春日部に来ていたとは・・・)』
 花嫁の持っていたブーケがふよふよと浮きながら呟いていた。そう、このブーケこそが本体であったのだ。
『ソオソコヨ・・・ラオサカイ・・・ラオサカイチ
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