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ソードアート・オンライン 瑠璃色を持つ者たち
第一話 始まりの鐘
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は押され、叫んでは叫ばれて、怒りに狂えば八つ当たりまで、多種多様な《ログアウト不能》への不満が広場を埋め尽くしている。

そこから一歩離れ、リュウヤは静かな裏路地で思考をまとめようとしていた。

(ゲームクリア、即ち第百層到達を達成するにはどれだけ時間がかかる?)

(確か、ベータテスト時じゃ第六層まで上がったはず……。そこだけを切り取りゃ一年で三十六層ーーつまり、二年以上はここで縛られるっつうわけだ)

「ははっ……笑えねえ〜」

本当に笑えなかった。笑おうとしても口角は上がらず、息をだしても咳き込むような息のみ。

彼が心配しているのは、当然自分の安否だ。
二年以上に渡る牢獄生活を生き抜けるか。
自分に、その耐久力があるのか。
今でも発狂しそうなのに、二年も耐えられるのかーーー

「ん?……や、楽勝だなぁ」

なにを今更、と考えを即座に改めるリュウヤ。
現実でも牢獄のようなものだったではないか。誰も頼れず、一人でその日を生き抜くために全力で、家賃、生活費、学費に追われ、まるで地獄のような労働と勉学を行うあの生活が、ここ以上に苦しいか?

「ねえな。うん、全然ねえわ。むしろこっちのが楽だわな」

「なんならこっちのがお気楽でいいかもな」

まず学費が一切いらないためその分の労働を割ける。家賃は……まあ少しかかるが稼げないわけじゃない。生活費だって電気代や水道代すらいらない。食費さえ稼げればそれでいい。

それなら、それならばーーー

「ゲームクリアに貢献する時間だって作れるわな」

ニヤ、と笑みを浮かべる。
結局はこれだ。これなのだ。ただリュウヤはゲームがしたい。モンスターと戦い、時に死闘を繰り広げ、現実とは違う刺激を求めてここに来た。

ここが普通のゲームだろうが命を賭けたデスゲームだろうが関係ない。元より、自分に命など
あってないようなものだ。
どうせ、心配してくれる人は誰一人としていないのだから。

「ーーそれはそれで悲しいな、おい」

自分の思考に自らツッコミを入れながら裏路地を進み、《はじまりの街》を後にしようとする。

リュウヤはベータテスターではない。ここの情報など知る由もない。

だが、それが面白い。どうせならハデに、リスキーに行ってやろう。進むだけならその方針で行こう。
戦闘中さえ気をつければいいのだ。その戦闘に必要な情報は、RPGならば村や街で手に入れられる。
この街のNPCには全て話を聞いた。これ以上、ここにいる価値はない。

「さて、行くかね」

リュウヤのそんなつぶやきは、リュウヤ自身に《はじまりの街》へ置いていかれる。全力疾走で街から離れたのだ。

さすがに夜間の戦闘は避けるべきだと自分でも分かっている。だから、マップで見れ
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