2部分:第二章
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は」
同僚はその言葉に頷く。そうして案内を申し出るのであった。
「では案内しよう。ついて来てくれ」
「わかった」
こうしてクシャルーンは同僚に案内されてその屋敷まで来た。それからすぐにその馬が入ったという絵の前まで案内されたのであった。その絵を見ると確かにそこにはあの馬がいた。
「この馬だったな」
「ああ、そうだ」
同僚の言葉に頷く。彼等と共に屋敷の者達もそこにいた。
「間違いない」
「実は何時の間にか絵から馬が消えていたんです」
屋敷の者の一人がクシャルーン達にそう説明した。
「そうだったのか」
「はい、それで不思議に思っていたのですがこうして戻って来まして」
「ふむ、成程」
クシャルーンはそれを聞いて納得したように頷く。
「そしてようやく戻る場所を見つけて戻って来たと。それはそうとして」
「はい?」
クシャルーンはここで屋敷の者達に問う。彼等もそれに応える。
「何でしょうか」
「この馬の尻尾だが」
その焼き切れた尻尾を指で指し示しながら問う。
「どうして。こうなったのだ」
「丁度そこに蝋燭を落としてしまいまして」
屋敷の者達はそう彼に説明する。
「そのせいでございます」
「そうだったのか。そのせいで」
「はい、左様です」
「わかった、ならいい」
彼はそれを聞いた後で懐から財布を取り出した。そうしてそれを屋敷の者達に手渡すのであった。
「あの、これは」
「謝礼だ、馬を借りていたな」
にこりと笑って述べた。
「おかげで何かと役に立った。礼を言う」
「礼と申されましても」
「私達は何も」
「だがこの馬は確かにこの屋敷の馬だ」
クシャルーンはそう主張する。
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