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Transform! And we go ahead to the tomorrow…
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!?」

「……。」

 未央の問いに、貴虎は答えることができない。
 それがつまり何を意味するのか…眼前の戦況を見れば、想像に難くなかった。
 しばしの沈黙がその場を支配する中、卯月は何かに気付いたようにハッと顔を上げた。

「私…知ってます」

「なに?」

 平静を装いながらも、貴虎は内心ドキリとする。
 一方の卯月は気付いてしまった事実に、いてもたってもいられないようだった。

「私、ロックシードを持っている人を知ってます! 私、その人のところに行ってみます!」

「なっ…! 待て! 今一人で行動するのは危険だ!」

 貴虎の静止も聞かずに駆け出す卯月に、貴虎はしまった、という表情を浮かべた。
 卯月は考えるよりも先に体が動いてしまったようだ。
 慌てて後を追おうとするが、3人をこの場に置いていくわけにはいかなかった。

「未央、私たちも!」

「うん!
行こうしぶりん! ほら、プロデューサーも!」

「しかし、皆さんに危険が…」

「…この状況で安全な場所などない。
ならばせめて、固まって行動した方がいいだろう。それよりもはやく彼女を。
彼女はおそらく、光実のところへ向かったはずだ」

 貴虎はプロデューサーに肩を貸そうと手を伸ばすが、彼は静かに首を横に振ってそれを拒んだ。
 どうやらいてもたってもいられないのは彼も同じらしい――。


***

 ビートライダーズのステージのある広場。
 何段も続く石階段の、ちょうど真ん中の辺りに光実は腰掛けていた。
 ほとんど賭けに近い確立だったが…卯月の予想通り、光実はやはりそこにいたのだ。

「ミッチさん!!」

「貴方は、昨日の…」

 光実が、突然の来訪に戸惑いの表情を見せる。
 だが、今の卯月にそれを気に止めている余裕はなかった。
 光実を見つけられた安堵と、はやく城乃内を助けにいかなければならないという焦燥感から、思わず早口で畳み掛けてしまう。

「大変なんです! 黒い人が黄金の果実で…えっと、マツボックリがイナゴなんです!!」

「…一度落ち着いてください。一体何があったんですか?」

 焦っている卯月を落ち着かせるために、光実はあえて冷静に彼女に問いかけた。
 そんな光実の真意に気付いてか、卯月も少しばかりの冷静さを取り戻す。

「すみません…えっと、その…!黒いアーマードライダーが町で暴れてて…!」

「黒いアーマードライダー。…コウガネ…!」

 どうやら光実はあの少女のことを既に知っていたようだ。
うまく説明する自信がなかった卯月には、その事がまるで天の助けにも感じられた。

「それで、 城乃内さんがたった一人で戦ってるんです!」

「なんだって!?」

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