番外編:パラレルワールドに行きます 〜その三〜
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事しか出来ない。その間にも“イッセー”の胃痛は酷くなっていき、ついに我慢しきれなくなり胃薬を飲もうとするが何故か、常備しておいた胃薬が無いので不思議に思っていると不意に肩を叩かれた。
「お探し物は、これかにゃ?」
「なんで、てめえが持ってんだ? ……というか、てめえ俺の方のカス猫か」
「にゃははは! そこは俺の女って言ってもよかったのに」
「ぬかせ。いいから、そいつを寄越せ」
「はーい。でも、一発で見抜いてくれたのは嬉しかったにゃ」
何故か、一緒に来ていた“黒歌”から胃薬を受け取るとその中身を一気にあおる“イッセー”。この世界の黒歌はそんなもう一人の自分の登場を面白そうに見ていたが内心としては妹とはどういった関係になっているのかと聞きたい気持ちでいっぱいであった。そして、“イッセー”の精神世界では黒歌が二人になったことで一人の変態が狂喜乱舞していた。
「それにしても、なんで、一発で分かったのにゃ?」
「あ? 俺がてめえを見間違えるわけねえだろうが」
「っ! そ、そう言われると照れるにゃ」
“イッセー”の言葉に思わず顔を赤らめて恥ずかしがる“黒歌”そんな様子に訳が分からず内心で首を傾げる“イッセー”。なぜなら、彼はお前みたいなムカつく奴の顔を間違えるわけがないという意味と超直感の恩恵により間違えなかったと言ったつもりなのだから。しかし、誰にもその意図は伝わらずに、“イリナ”から嫉妬による殺意を向けられて若干冷や汗を流す彼であった。
「で、どうやって、てめえらは来たんだ?」
「それは“ヴァーリちん”がいなくなって死にもの狂いになった“アザゼル”が変な機械を作ったからにゃ」
「また、面倒な真似をしやがって……で、てめえは観光気分で来たのか?」
「そうにゃ。こっちの白音に会ってみたかったし―――」
「避けろ!」
不意に“イッセー”がそう叫び声を上げて黒歌を抱き寄せてすぐさまその場から飛び去る。するとついさっきまで二人が話していた場所に極太のレーザー光線が通りさり、大気を焼く。そのレーザー光線を放った主、T・シドーは避けられたことに悔しそうに歯ぎしりをする。
因みにイッセー達はまさかレーザー光線が放てるとは思っていなかったらしくポカンと口を開けて見つめる事しか出来ない。しかし、“イッセー”は黒歌を胸に抱きかかえたまま怒りの表情でT・シドーを睨みつけている。抱きかかえられた黒歌は突然抱き寄せられたことと顔を“イッセー”の胸に埋めていることに混乱して顔を真っ赤にしている。
「おい、親馬鹿。このムカつく奴を殺していいのは俺だけだ!」
「お前が避けなければ、当たることはなかったのだ。別に殺そうとしたわけではない」
「言い
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