番外編:パラレルワールドに行きます 〜その三〜
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ろう。見ろ、わざわざ俺が回復をするのを待っている)
そう言って、ヴァーリが見つめる先には彼を見下ろしながら悠然と宙に浮く“イッセー”が居た。完全に遊ばれているとも思うが、実際のところ力の差はそれほどに開いているので文句の言いようがない。そこでヴァーリは奥の手を使う事を考える。
(白銀の極覇龍を使うか)
(確かにそれならいけるかもしれんが……ほんの数秒で倒せるのか? 奴はまだ全力を出していないのかもしれないぞ)
(だとしても、使う価値はある)
奥の手を使おうかとも考えるがやはり数秒しか使えないのではと言うアルビオンに対してヴァーリは使うしかないと答え詠唱を始めようとするが―――
「何をしようとしているのか知らねえが、俺が見逃すとでも?」
「今度は銃だと?」
ヴァーリが何かを行おうとしていることに気づいた“イッセー”が素早く2丁拳銃に持ちかえて標準をヴァーリに合わせる。その事に思わず意識を釣られて詠唱を途中で止めてしまうヴァーリ。それも当然だろう。まさか神器が全くの別物に姿を変えるなど思っても見なかったのだから。
禁手の亜種というものの、存在は知っているが、こうも形の異なる二つの禁手を見るのは初めてだ。そうして呆気にとられているヴァーリの元に銃口から放たれた無数の龍が襲いかかってくる。ヴァーリはすぐにその場から飛んで逃げようとする。だが、龍はまるで自らが意思を持っているかのように逃げるヴァーリを追っていき食いつく。
「ぐっ!?」
「悪いが、そいつは重力操作でてめえの方に向かうようにしてんだ。逃げられると思うな」
“イッセー”はそう吐き捨ててヴァーリの周りを高速で旋回しながら憤怒の炎と大地の炎を混ぜた炎を連続で発射していく。攻撃対象に炎が辺り弾けるその様はまるで炎の華が咲いているかのように見える。
「炎の蕾!」
「くっ! このままだと不味いな…っ!」
避ける術もなく、まるでいたぶるようにジワジワと自分を痛めつけていく攻撃に流石のヴァーリも焦りを感じ始める。しかし、どうしようもなくただ、自分の周りを高速で旋回する相手を見つめる。その目は楽に死ねると思うなよと言わんばかりの冷たい光を放っていた。そして、“イッセー”がさらに連射速度を上げ、ヴァーリを追い込もうとしたその時だった。
「地獄に落ちろや! この糞野郎がっ!!」
「その台詞―――親馬鹿か!?」
突如降り注いできた、無数の光の槍に対処せざるを得ずに舌打ちをしながらヴァーリへの攻撃を止めて光の槍を打ち消す“イッセー”。その間にその槍を放った人物が二人の間にヴァーリを守るように
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