暁 〜小説投稿サイト〜
転生赤龍帝のマフィアな生活
番外編:パラレルワールドに行きます 〜その三〜
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まで見せたことがないような真剣な表情になり、“イッセー”を睨みつける。そんな様子にこの世界のイッセーは、驚きの表情を浮かべる。自分にとっては遥かに格上の存在であったライバルが完全に挑戦者の目をしてもう一人の自分を見ているのだ。それだけで、もう一人の自分の力の底の無さを思い知る。そして、両者は空中で浮きながら言葉を交わす。


「少しはやるじゃねえか、カスの分際で」

「これだけが取り柄なんだ。そう簡単には負けられないさ」

「なら、少し遊んでやる」

「すぐに遊びじゃすまなくするさ!」


そういうと同時に一気に加速し“イッセー”へとヴァーリが突進していく。そのスピードは普通の人間であれば避けるどころか視認できないスピードだが“イッセー”はそれを軽々しく躱す。しかし、ヴァーリの狙いは元々距離を詰めて肉弾戦を行う為なので、焦ることもなく素早く反転し、死角から鋭い蹴りを繰り出す。だが、それは難なく躱されてしまう。

さらには、振り返ることもなく裏拳で顔を攻撃されて面をくらってしまう。どうやって自分の位置を正確に判断しているのか分からないがこのままだと危険だと判断し、すぐに距離を置こうとするがすぐに距離を詰められて、凄まじい拳のラッシュを受けてしまう。その拳には今度は緑色の炎が宿っており、一撃一撃が重く、堅かった。


「ちったぁ、楽しませてくれよ」

「言われなくとも!」


一方的に攻撃されても未だに戦意は落ちないのか、ヴァーリはそう叫んでこちらも拳で応戦する。そんな様子に“イッセー”はほんの少し感心したような顔をするが、ヴァーリの拳をどうしても避けられない胴への攻撃以外は来る前から分かっているとばかりに避けて行く。ヴァーリの半減の力も、相手が赤龍帝の為にその意味をなさない。


「落ちな!」

「その程度、振り払って―――っ!? 何だ、この脱力感は!」


“イッセー”がヴァーリの拳を受け止め、その腕を利用して背負い投げの要領で遥か下にある地面へと叩きつけようとする。ヴァーリはその手に対して体を捻って振り払おうとするが、急に体に謎の脱力を覚えて、動きを止めてしまう。

驚愕して“イッセー”に掴まれた腕を見るヴァーリの目にはまるで雨のように自分を包み込む、青い炎が写った。その次の瞬間には彼はなすすべもなく地面に叩きつけられていた。未だに脱力感が抜けないヴァーリにアルビオンが声を掛ける。


(ヴァーリ、今のお前の体の機能はどういうわけか“鎮静”されている。麻酔をうたれているようなものだ)

(彼はそんなことまで出来るのか。……ふふ、これが力を半減される感覚なのかもな)

(そんな事を言っている暇があったら回復を急げ。お前ならすぐに回復できるはずだ)

(それは相手も分かっているだ
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