暁 〜小説投稿サイト〜
Fate/ONLINE
第三十三話 罪と罰
[7/8]

[8]前話 [1] [9] 最後 最初 [2]次話
この聖杯戦争は忌むべき存在であった。
七名のプレイヤーが、何の説明もなく参加させられ殺し合う。
サーヴァントという強力な従者を従えていても、他のプレイヤーよりも死ぬ確率は数段高い。

そして、彼の近しい二人の少女がこの殺し合いに参加している。

一人は共に志を合わせて聖杯戦争を生き残ろうと誓っている。
だが、もう一人は彼を拒絶し、殺し合いに積極的に参加しているのだ。

キリトは激しく後悔した。

何故、彼女の前からもっと早く消えなかったのか。
何故、彼女から離れてしまったのか。

そうすれば、彼女はこのふざけた戦いに参加もしなかった。

自責の念に駆られた。
自分に全ての罪がある。
そう頭から離れなかった。

そして、その断罪の刃が今まさに振り下ろされようとしている。

きっとこれは罰だ。

彼女を……サチを、黒猫団の皆を巻き込んだ罰なのだ。

キリトはそれを受け入れようとしていた。

セイバーが叫んでいるが、もうキリトの耳には届かない。

彼は静かに目を閉じ、刃が体を両断するのを静かに待った。



…………



おかしい。

来るべき衝撃がいつまで経っても来ない。

閉じられていた目を開け、顔を上げる。

すると、衝撃が来ない理由がすぐに分かった。

少女がキリトに背中を向けて立っていた。
しかも、ただ背中を向けているわけでは無い。

Pohの愛剣、│友切包丁《メイトチョッパー》を逆手に持つソードブレイカーで受け止めていた。

「Ha?」

Pohが思わず間抜けな声を上げる。
珍しく戸惑ったような声色だ。

「……剣を収めなさい」

少女の冷静な声が彼らの耳に届いた。

-----------

時を同じくして、ランサーとアーチャーの戦いも意外な結末を迎えていた。

突如として鳴り響いた轟音。
何かが二人の間に割り込んできたのだ。

ランサーはその場から、バックステップで距離をとる。

爆心地からは煙が立ち込め、姿が確認出来ない。

その場に居る全員が、警戒をしながらその姿を現せるのを待つ。

そして、一陣の風と共に煙が晴れた。
全員が、その乱入者を見て驚愕する。

「……ライダー」

アーチャーの静かな呟き。

二頭の雄牛に引かれた戦車に乗っているのは、全員が過去に一度会っているサーヴァントの内の一体、ライダー。

その彼がまたしても戦闘に乱入してきた。

ランサーは怒りの表情を浮かべ。
アーチャーは疲労から来る虚ろな表情で。
アスナは驚きが重なりすぎて、どのような顔をすればよいのか分からない様な表情をしていた。

だが、当のライダーは以前のような砕けた表情をしていなかった。

[8]前話 [1] [9] 最後 最初 [2]次話


※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりをはさむしおりを挿む
しおりを解除しおりを解除

[7]小説案内ページ

[0]目次に戻る

TOPに戻る


暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ

2024 肥前のポチ