第三十三話 罪と罰
[6/8]
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
よろめきながら立ち上がる。
剣を握る力も無くなってくる。
だが、それでも構える事を止めない。
「oh……大したもんだ、黒の剣士。そんな状態でも戦う意思が折れねぇか」
「あたり…まえだ―――――――――――――」
途切れながらもキリトが答える。
そして、視線を自らの従者へと移し。
「セイバーが…まだ戦ってるんだ……実力差があっても…勝つために……戦ってるんだ。……俺は…セイバーのマスターだ……。負けるわけには……いかない」
キリト自身の決意だ。
セイバーが、自らの従者が死に物狂いで戦うのなら、マスターである自分もそれ相応の戦いをしなければならない。
その義務がある。
「Ha……良い心がけだ、見直したぜ。だがな……」
Pohが眼にも止まらぬ速さで、キリトへと迫る。
そして、彼の剣が振り上げられた。
「ッ……!?」
振りぬかれる一撃。
辛うじてをれを防ぐ事が出来た。
だが二激目は下からの切り上げ。
それは、キリトの体勢を大きく崩れさす。
剣を持つ右腕が、宙に浮かんだ。
「……あ」
間抜けな声が口から零れる。
Pohの剣は、キリトの腕と剣諸共文字通り宙に浮かせたのだ。
痛みは感じなかった。
仮想世界では痛みを感じない。
だが、それでも損失感はある。
無くなった右腕を押さえ、キリトが膝をついた。
「Ha。もうここまでだな、黒の剣士。」
膝をつくキリトを見下ろし、剣をキリトに向ける。
「キリト!!」
セイバーが、叫びキリトのもとへ駆けようとする。
だが、その眼前にはバーサーカーが立ちはだかる。
「aaaaaaaaaaaaaaahhhhhhhhhh!!」
「クッ……邪魔をするな、バーサーカー」
一刻も早くキリトを助け出さなければいけない。
だが、それには目の前のバーサーカーが邪魔だ。
「そこを…どけぇ!!」
セイバーの怒涛の攻撃がバーサーカーを襲う。
それでも……
「■■■■!!!!!」
バーサーカーを振り切れない。
「クッ…」
既にキリトは、戦える状態ではない。
Pohによって殺される寸前だ。
仮にセイバーが此処から全力でキリトのもとまでたどり着ければ、直ぐにでもPohを倒せる。
だが、バーサーカーがそれを許さない。
Pohの右腕が大きく振りかぶられる。
「やめろおおおォォッ!!」
セイバーが絶叫する。
自分の主を守れない。
そんな自分の不甲斐なさと、バーサーカーそしてPohに対する怒りを込めて叫ぶ。
その叫び声も虚しく、無慈悲にもPohの剣はキリトへと振り下ろされた。
----------------
キリトにとって、
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2024 肥前のポチ