第三十三話 罪と罰
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ける。
「殺し合おうぜ――――――黒の剣士」
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「なんだぁ?ランサーの奴、いつの間にバーサーカーの側についたんだ?」
「さあ………でもランサーはあんまり乗り気って感じじゃない。それに、いつもそばに付いていたマスターの姿が見えない」
「ふむ。ランサーのマスターに何らかの原因があって、止む無くバーサーカーの方へ付いたという感じか」
「たぶん――――――――――マスターが脅迫…もしくは手中に取られたか」
「なるほどのぉ。どちらにせよ、あまり気持ちが良いやり方ではないがな」
「……ライダー」
「うん?」
「……ちょっと、私の我儘を聞いてほしいんだけど」
「…言ってみよ」
「……彼ら――――――この戦いが終わったら、きっと殺される。彼らを死なせたくない」
「ほう……」
「黒い彼も、あの男にきっと負ける。あの男は何か隠している。アーチャーもランサーにやられて、マスターのあの娘も殺される」
「ならばどうする」
「止めたい。協力して欲しい」
「……」
「私一人じゃ無理。力を貸して、ライダー」
「――――――――――それでこそ余のマスターよ。余もあまりこの戦いを好ましくは思わん。それに、彼奴等をこのまま死なせるのは惜しい」
「うん。じゃあ私は黒い彼の所へ」
「余はアーチャーとランサーを……か。セイバーとバーサーカーはどうする」
「すぐには決着が付くとは思えないから、マスターだけを止めれば大丈夫だと思う」
「そうか……では急ぐとするか」
「うん。行こう」
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「グアァッ!」
キリトの体が傷だらけになりながら吹き飛ばされた。
マスター同士の戦い。
それは一方的な試合となっていた。
「HEY。どうした、その程度か?黒の剣士」
Pohが手元で剣を弄びながら、ゆっくりと歩みを進める。
キリト自身、此処まで圧倒的にやられるとは思っていなかった。
攻略組でもトッププレイヤーとして前線を張り、セイバーと共に数々の敵と戦ってきた。
それでいて、今のキリトがある。
だが、Pohはそんなキリトを笑いながら追いつめていた。
余裕綽々といった表情だ。
舌舐めずりをしながら、キリトの眼前で立ち止まる。
「早く立ち上がれよ、黒の剣士。俺はまだまだ、食い足りねぇぜ」
その声に釣られるように、キリトが剣を杖のようにして立ち上がる。
だが、あまり余裕がない。
実力差がありすぎて、表情も強張っている。
「Ha」
ゴッ!!
笑ったと思うと、今度は側頭部への強烈な蹴り。
再び情けなくも、キリトは横へ倒された。
「ク…ソ……」
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