第三十三話 罪と罰
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ながら、不可視の剣で切りかかる。
しかし、バーサーカーにその切っ先が届く事は無い。
……剣の長さ、間合いを見切られている?
セイバーがバーサーカーと剣を合わせるのはこれで二回目だ。
まさか一回だけで、セイバーの不可視の剣の間合いを見切ったと……そんな事が可能だろうか?
いや、実際バーサーカーはその刃を避けている。
ならば認めないわけにはいくまい。
どんな理由か知らないが、バーサーカーはセイバーの剣を知っている。
そして知っているのは剣だけじゃない。
その剣を操る技さえ見切られているような気がする。
「くっ!!」
だが……なんだろう?
この既視感に似た感覚は……バーサーカーが自分の剣を知るように、セイバーもバーサーカーの振るう剣を知っている気がする。
以前、今と同じようにこの剣を感じたことがあるような気がする。
霞がかったような記憶が、セイバーの脳を刺激する。
やはり、何か忘れている。
バーサーカーだけではない。
アーチャーも。
ランサーも。
キャスターも。
ライダーも。
どこかで一度会っている気がするのだ。
「……ッ」
殺し合いの最中であるはずなのに、思わず頭を押さえる。
どうしても思い出す事が出来ない。
「セイバー!!」
キリトの叫びに似た声が、セイバーの意識を引き戻した。
「ッ――――――――――」
バーサーカーは既にセイバーの目の前まで迫っている。
横殴りの剣がセイバーを襲う。
「くっ!?」
何とかその間に剣を滑り込ませた。
体を二つにされる事だけは防げたが、勢いを殺しきれない。
そこから思い切り吹き飛ばされた。
衝撃でセイバーが転がる。
本能的に仰向けに倒れ、体を置きあがらせようとする。
だが、空中にバーサーカーの姿をとらえた。
彼はその勢いのままに振り下ろしの体勢で落ちてくる。
セイバーはいまだ仰向けのまま立ち上がっていない。
そこに空から落ちて来るバーサーカー……今の自分の体勢の不味さに、セイバーはとっさに剣を防御に廻す。
仰向けに転がっていた事は幸運だった。
自分に迫る剣を迎撃する事が出来る。
うつ伏せで倒れていたら、バーサーカーの剣を見失っていただろう。
「うあ!!」
とんでもない衝撃が来た。
セイバーの体が少し地面に沈むほどの衝撃だ。
バーサーカーの体重と膂力、それに落下のエネルギーが加わった一刀は、セイバーを持ってしても驚異的な破壊力を持って打ち据える。
セイバー以外では受ける事さえ出来ず、そのまま押し潰されて両断されていたかもしれない。
「どきな……さい!!」
バーサーカーの腹に蹴りを叩き込み、
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