parallel world4 −『神殺し達』−
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二人組だ。一人は全身真っ白の少女。もう一人は茶髪と黒髪が混じったような髪の青年。この結界の主はこの二人の内のどちらかという事になるのだろうか。
「さて、『兵藤一誠』『兵藤里奈』『兵藤亜紗』ですね?一緒に来てもらいますよ」
「……は?」
「……ましろさん、連れて行くならさっさとして下さい。これでも結界を維持するの、かなり疲れるんですよ?」
「ええ、すぐに連れて行きます。もう少し耐えて下さい。……と、言う訳で話は後です。今は黙って従って下さい」
「ちょっ、待……」
その言葉を言い終わらぬ内に、ブォン、という音と共に、目の前に現れた隙間が自分達の体を飲み込んだ。
「……ッ!そろそろ……良いですか……ッ??」
「はい、転移は成功しました。すぐに脱出しましょう」
「ッたく、面倒臭い……!」
二つの影が、続けて消える。
その場に残されたソレは、直前まで結界で封じられていた体から力を抜いた。
「……また、邪魔が入ったか」
大して怒りも悔しがりもしていない顔を虚空へと向け、やがてソレは闇へと溶け込んだ。
先程までの戦闘音が嘘だったかのように、その場に静けさが溢れかえった。
「で、それに協力しろと?」
「はい、そういう事です」
「……あのなぁ……」
一誠は頭を抱えた。里奈と亜紗も訳がわからないと言いたげに首を傾げている。
「いきなり『世界が危ないから、救うために力を貸してくれ』とか言われて信じる馬鹿が何処にいるよ。大体、仮に本当だったとして、さっきのから見る限り俺よりあんたらの方が強いんじゃねぇか!十分だろ!」
耐え切れない。と言いたげに一誠はましろと呼ばれる少女に叫んだ。
少なくとも今、この部屋には自分達を除いて五人居る。
ましろという名の少女に、タツと呼ばれた不思議な威圧感を持つ青年。
まだ名は知らないが、尋常ではない雰囲気を醸し出す三人組。
彼らが一人一人、自分達よりも強い力を持つ事はすぐに理解した。
「戦いには、相性という物があります。私では今回の騒動を解決できませんが、貴方達ならば可能性があります」
「無いね。相性以前に力の差があり過ぎる。さっきのを見る限り俺はアンタに勝てないだろうさ。
そんなアンタがどうやっても倒せない相手を、俺が倒せると思うか?」
「勿論今のまま戦えとは言いません。その前に力を付けて頂きます。目処はついてますので」
「ってか俺たちがアンタらに協力するのは確定かよ??」
「ええ、拒否権はありません」
少女はあっさりと答える。
「こんのヤロ……」
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