1部分:第一章
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からな」
「それでですか」
「そしてこれもある」
次に懐から五寸程度の小さな小太刀を出してきた。
「これがな」
「むっ、まさかそれは」
「そうじゃ。小烏丸」
その小太刀を右手に見つつ周りの者達に告げた。
「これもあるからのう」
「それを持って来られたのですか」
「元よりこの国に鬼がおるのは聞いていた」
小烏丸を見つつの言葉だ。
「それで持って来たのじゃ。鬼め、来るなら来るがよい」
言葉にこれまでになく強い意志が宿る。
「私が成敗してくれるわ」
「左様ですか」
「しかしじゃ。今は鬼はおらぬ」
一転して優雅な顔になる維茂だった。
「だからじゃ。ここは」
「宴ですな」
「そうじゃ。酒はあるな」
「無論です」
明るい返事がすぐに返って来た。
「充分持って来ております」
「肴も」
「肴は何じゃ?」
「この辺りで採れた鳥です」
「鳥か」
「はい、山鳥です」
どうも種類はよくわからないらしい。
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