番外編034話 if 真・恋姫無双編 04話
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そのまま指をパチンッと鳴らして幾つかの炎を生み出す。
「……仙術……」
呆然と呟く妹の様子に、もう大丈夫だと思ったのだろう。雪蓮はアクセルの方へと目配せをし、それを見たアクセルは踏んでいた相手から足を離す。
「……ふんっ!」
不愉快そうに鼻を鳴らしながら立ち上がると、そのまま孫権の側まで戻っていく。
「さて、取りあえずアクセルを仲間にするのに異論はないわね? 自己紹介しなさい。真名に関してもよ」
「姉様っ!?」
「雪蓮様!?」
2人が反射的にそう叫ぶが、雪蓮は困った様子もなく口を開く。
「いい? 私達は人数が少ない。それだけに一致団結していかなければならないのよ。なのに、いがみ合いをしていてもしょうがないでしょ」
それに……と、雪蓮の視線はアクセルの方に向く。
(1人で軍隊と同様の働きが出来るアクセルの力は、私達としてみれば是が非でも欲しい。それを繋ぎ止めておく鎖にするという意味でも丁度いいしね。……ま、私としては身体で繋ぎ止めるってのも面白そうなんだけど。結構好みだし)
そんな雪蓮の内心は理解出来ないのだろうが、それでも姉であり主君である雪蓮に言われれば生真面目な2人としては従うしか出来ない。
渋々……そう、あくまでも雪蓮に言われたからという風体を隠しもせず、自分はまだお前を認めた訳ではないという意味を込めてアクセルに視線を向けつつ、孫権が口を開く。
「姓は孫、名は権、字は仲謀よ。真名は蓮華」
「甘興覇。真名は思春」
「姓は周、名は泰、字は幼平、真名は明命と申します!」
そう告げ、どこかぎこちないながらもようやくの自己紹介は終わって、進軍を再開するのだった。
明命のみは他の2人と違って、アクセルに対して特に不信感を抱いていないようだったが。
「……また、随分と人数が集まっているな」
雪蓮達が袁術に攻略を命じられた冀州にある黄巾党の本拠地。そこに到着した時、アクセルは思わずといった様子で周囲を見回す。
見るからに色々な旗が翻っており、もしかして中華全ての武将が集まってきているのではないかと思える程の規模だったからだ。
勿論それは錯覚であり、ここに集まっているのはほんの一部でしかない。
事実、袁術の軍隊は全く違う場所にいるし、諸侯の中でも最大勢力の袁紹の姿もないのだから。
「それで、これからどうするんだ?」
この世界の軍事的な出来事に全く詳しくないアクセルが、呉の陣地に建てられた天幕の中にいる雪蓮の方へと視線を向ける。
この中にいるのは主要メンバーのみであり、特に気を遣う必要もない。
……もっとも、蓮華や思春といった真面目な者達からは、その言葉遣いに対して咎めるような視線を向けられているのだが。
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