第五章 過去との決別 〜ミッドチルダ J・S事件〜
第四話 幻想体系
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らはかなり長い間平和な時間が流れました。蒼炎もしたいことをして、ゆっくりしていたらしいです。その間に剣術を習っていたようですね
変化が訪れたのは神崎凪の死期間際でした。彼女の持つ力は「運命」、全ての未来を見、操る力。勿論、人が持つ以上その力を完全に扱うには命を削る必要があります。持ち前の魔力だけで行えるのは未来視、精々が小規模な改変です。ですが、この力を持つがゆえに彼女はわかっていた、自分がいつ死ぬかを。そしてその前に、この力を蒼炎に継がせたかった
運命は継承制です。受け継ぐための条件は、いついかなる時も運命などに屈せず、自分自身で未来を切り開けるもの。証明方法は、先代の殺害
なんて酷いものだ、と感じるでしょう?ええ、まったくその通りです。でも、このままだと蒼炎は誰かに依存しなきゃ生きていられなくなる。そうなる前に、彼を勇気付けたかったのでしょう。でもそれは、蒼炎の心をボロボロしてしまった
表面上は前よりマシになったでしょう。それは未来なんて変えられることを知ったから。例えくそったれな世界でも自分の力で切り開けるとわかったから。でも奥底は悪化しました。大切な人を二回も殺し、自分だけが残る。もう大事なものを二度と失いたくない、守るためなら、本当はここにいない自分をかけてやる、と
実際、彼はその願いを叶えるだけの力を持っています。だからあなたがおかしいと思った行動も、彼にとっては別段特別なことではない。生きてる人間が怪我をするよりも、存在するはずがなかった自分が怪我をする方がいい。そうすれば、その怪我は無かったことになる。こんな暴論が彼の中では成り立ってるのです。そして、それは今も続いているというわけです
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「馬鹿げてる...」
<まあ、そう思う気持ちはわかります。ですが>
「別に蒼炎さんが馬鹿げてるってわけじゃないの」
アルティメイタムの言葉を遮って私は話す
「蒼炎さんの境遇が馬鹿げてるって話。いや、やっぱり蒼炎さんも馬鹿よ。周りに気付いた人がいなかったっていうのもあるのだろうけれど」
<?どういうことですか?>
「なんだかんだ言っても人間は単純だって話よ」
アルティメイタムは余計わけがわからないとデバイスながらうんうん唸っていた
私はまとめ終わった資料を記憶媒体に移し、オフィスを出る。窓から外を見ると雨が降ってきそうな天気だった
なんかもやもやするからなのはさんに渡したら体動かそうかな
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