プロローグ
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《ユニークスキル》
後に、それが初めて明るみに出るのは50層のボス戦でのこと。
誰もが心を挫かれたそのボスの攻撃を単身で防ぎきった《生ける伝説》とも謳われしプレイヤー。
次に現れたのは、軍の強行軍により突発的に起こった74層でのボス戦。
初の《結晶無効化空間》でのボス戦で、愛する仲間を守るために単身でボスを撃破した《黒の剣士》の二つ名を持つプレイヤー。
彼らの強さは《ユニークスキル》だけにあらず、本人たちの努力と技術によって作り出された実力。そんな彼らだからこそ暴れ馬の《ユニークスキル》を扱えた。一名、そうとは言い切れない人物もいたが。
だが、彼らは75層で激突、そしてゲームはクリアされた。残り八つの《ユニークスキル》を秘匿したままに。
これは、その残り八つのうちの一つが明るみに出た世界ーーーもしかしたらあり得たであろうパラレルワールド。
彼ーーー「リュウヤ」の物語。
《聖騎士》ヒースクリフ
《黒の剣士》キリト
この二人に並ぶ、もう一人の《ユニークスキル》保持者。
さて、彼はどんな二つ名を得て、どんな《ユニークスキル》を得て、どんな出逢いと別れを経て、この仮想世界ーーー《ソードアート・オンライン》のゲームクリアを目指すのか。
「よっしゃ、んじゃいくかーー」
彼はまだ知らない。
自分がどれだけの強者と肩を並べることになるのか。
まだ、知らない。
「ーーリンク・スタート!」
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