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リリなのinボクらの太陽サーガ
解放
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てです。私の持っている執務官や弁護士の資格、大尉の立場も実の所、あなた方の役に立つために手に入れた物なのですわ。今回は立場を利用しなければ、あなたが守ろうとしたテスタロッサ家を救えないため、作戦前にあのような言い方をしてしまいましたが……本当はこの立場に未練は無いんですよ』

「そうか……。しかしな、おまえもいつか自分の幸せを見つけてもいいんだぞ? 過去の罪は既に十分償えていると、俺は思うからな」

『ご心配には及びません、私は私で自分の幸せの事もちゃんと考えていますから。それより結果的にイエガーを倒した件についてですが……それはこちらで処理しておきます』

「それはありがたいな……事情があったとはいえ、暗殺犯として扱われるのはごめんだ」

『そこは私達の腕の見せ所です。ところでそちらはイエガー、いえ、イモータル・ロキをこれから浄化するのでしょう? となると、まずはその施設から脱出する必要があります。局長室で待っているリーゼ姉妹なら次元も越えられる転移魔法が使えますので、彼女達と共にそこから転移して下さい。こういう時、転移魔法は便利だとつくづく実感しますね』

「そうだな……とにかく俺達は安全な場所に転移する。後で合流しよう」

『ええ。作戦はあなたが帰還して、ようやく達成しますからね。では、あなたなら大丈夫だと思いますが、万が一という事もあるので気をつけて下さい』

「ああ……わかっている」

『……本当に大丈夫ですか? 声の調子から酷く疲れているように思えますが……』

「潜入任務はずっと神経を張り詰めなければならないからな……俺だって疲れもするさ……」

『それはそうですけど……危なかったら連絡して下さいね?』

「ああ。もし本当に力尽きた時は、素直におまえに頼るさ……」

通信切断。エレンに気取られない様に普段通りの調子で話していたつもりだったが……やはり“裏”と渡り合ってきた彼女には若干感づかれたようだ。

――――――ズキィッ!!

「ヌグッ! ……やむを得なかったとはいえ、“彼女の力”を借りた影響か。ゲホッ、ゴホッ……!」

暗黒剣を思わず取り落とす程に心臓が強靭な力で圧迫されたように痛み、呼吸ができずに咳き込んでしまう。“狂戦士の波動”はジャンゴのトランスと同様に一時的なパワーアップを行えるようだが、使った後の負担がかなり大きい。これでは多用はあまりお勧めできないな……。

ゆっくり時間をかけて体力と回復し、何とか呼吸を整える。心臓の圧迫感はまだ残っているが、いつまでも蹲ってはいられない。床に転がる暗黒剣を背負うと、俺はロキとの戦いで弾き飛ばされていた預かり物のPSG1を回収する。そして改めて鎖を巻いて棺桶を引っ張り、来た道をたどってリーゼ姉妹とマキナの所へと足を進めた……。

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