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ちょっと違うZEROの使い魔の世界で貴族?生活します
外伝・閑話
外伝・閑話3話 ディーネの憂鬱
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実が無いので情報工作と言った方が良いですね。これに意味を持たせ、今までカトレアが何も反応を示さなかったのは、私達が(なだ)め抑えていたからだと知らしめました」

 あの公開お説教に、それだけの意味があったのか……

「……加えて、貴族が正座させられ怒られると言うスキャンダラス性が、この事実を一気に広めてくれます」

「それって火事になった家を、爆破して消火する様な物じゃなかろうか?」

 私が思わずそう口にすると、ギルは笑った。

「上手い事言いますね。その通りです。……まあ、カトレアが本気で怒って針のむしろに座るよりマシでしょう?」

 ギルの返しに私は頷くしかなかった。

「それよりもディーネが大変なのはこれからでしょう」

「……え?」

 ギルが何を言っているのか分からずに呆けていると、突然居間の扉が開いてお母さま(シルフィア)が居間に入って来た。

「母上がようやくまとまった休みをとれたのですよ」

 私が状況を理解出来ないでいると、お母さまが口を開いた。

「ディーネちゃん。最近になって素敵な言葉遣いになっているそうじゃない」

「……あ」

 そう言われて初めて気付いた。この家に来た当初は、言葉使いや礼儀作法を徹底的に教え込まれたのだ。しかしそれが領軍の人達と付き合うようになって、かなり砕けた口調になっていた事に……

「えっ……いや、その。それは……」

 言い訳をしようとするが、如何しても言葉が出て来ない。

「再教育よ。ディーネちゃん」

「そう言う訳です。諦めてください」

 ギルの見捨てる宣言に、思わず睨んでしまう。

「トリステイン魔法学院入学前に、一度徹底的にやってもらった方が良いですよ」

 そう言って、ギルは居間から出て行ってしまった。

「再教育用に、人も一杯雇ったからね。当然私も付き合うわ」

 お母さまが嬉しそうにしているだけで、精神的に追い詰められる未来しか見えない。

「さぁ、行くわよ」

 襟首を掴まれると、そのまま居間の外へと引きずられた。





 ちなみにアナスタシアまで巻き込まれ、妹から恨み事を貰う羽目になった。
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