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ちょっと違うZEROの使い魔の世界で貴族?生活します
外伝・閑話
外伝・閑話3話 ディーネの憂鬱
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気は膨れ上がる。……今すぐ逃げ出したい。

 私達が今居る場所は、ドリュアス家本邸の中庭にあるオープンテラスだ。椅子に座った姉さまに対し、私は床に正座をさせられている。余り人に見られたくないのだが、非常に目に付く場所でなので先程から使用人達の目線を感じる。

 と言うか、それなりに風系統の特性があるので、私の耳は常人と比べかなり優れている。その所為で、先程からヒソヒソと話す使用人達の声が聞こえるのが辛い。私の株が大暴落だ。

 ……そんな拷問の様な時間が、どれくらい過ぎただろう。そこにギルがやって来た。

「カトレア。ディーネに何をしているのですか?」

 ぬけぬけとそんな事を言って来た。軽く殺意がわいたが、私は悪くないと思う。

「あの不愉快な噂の件よ。ギルにも何とかしてって言ったわよね」

「い いえ。確かに言われましたが……。そんな出鱈目な噂は、放っておけば消えますよ」

「消えてないじゃない!!」

 それだけで形勢は決してしまった。すぐにギルも私の隣に正座させられる。ギルが「そんな事実は無いのだから……」と、なんとか言葉を絞り出すが、姉さまが「当り前よ!!」と返し黙らされた。……弱い。そして私と一緒に、姉さまのお説教お貰う羽目になる。

 姉さまの説教は、それから一時間ほど続いた。解放された私とギルは、居間にあるソファーでグッタリとしている。

「これで本当に何とかなるのか?」

 ついそんな疑問が口から出た。

「なりますよ」

 ギルが何でもない事の様に返事をする。

「……と言うか、ならなければこんな事はしません」

 それはそうだろう。

「この噂が消えないポイントは、嫉妬深いカトレアが何もアクションを起こさなかった事にあります。実際は事実関係を知っていて、怒る理由が全く無かったからなのですが、カトレアの立場でそのような噂が流れれば普通は不快になるはずです」

 私はギルの言葉に頷く。

「加えてティアの存在です。カトレアがティアと言う例外……前例を作った事で、ディーネもそれに類する立場になりかねないと言う認識が生まれました」

 人間形態のティアが、カトレア姉さまの前でギルに抱きつく光景。しかも姉さまが、それを笑って見ている。アナスタシアを始めとする家族でさえ良い顔をしないのに、突然現れた美女にそれを許すのは何も知らない人間には異常に見えるだろう。

 一足飛びでは信じられない事でも、布石となる物があれば信憑性が出て来ると言う事か……

「それはその前提を崩してしまえば良いと言う事か?」

 ギルが満足そうに頷く。

「その通りです。カトレアが黙認しているという前提を崩し、そのような事実は無いと喧伝し、ディーネが中途半端な隠ぺい工作……いえ、事
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