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ちょっと違うZEROの使い魔の世界で貴族?生活します
外伝・閑話
外伝・閑話3話 ディーネの憂鬱
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洒落にならない。だがそれが、今回の件とどう関わるのだろう?
「そこでディーネの立場ですが、断絶したモンモランシー家の分家。その唯一の生き残りの無爵位貴族……と言う事になっています。ドリュアス家の養子である以上、政治的駆け引きには使えますがそれだけです。国が一番に望む“交渉役の予備”を増やす役には立ちません」
確かに私の出自では、交渉役の血筋を増やす役には立たない。と言うか、ギルも言い辛いのは分かるけど、そんな顔をしなくても良いのに……
「そこでディーネが分家を立ち上げ、未婚のディーネに私の血が流れる子供が居たら如何でしょう?」
そう言う事か。ギルの立場からは言い辛いな。しかし……
「それでも十分な醜聞になると思うけど……」
私の言葉に、ギルは苦笑いを浮かべながら頷いた。
「確かにそうですね。ですが、ディーネに私の子が出来た方が、ドリュアス家の隙となるのですよ。その理由の一つ目が、分家立ち上げの口添えをすれば、単純に当主になったディーネに恩を売る事が出来ます。二つ目の理由が、結婚もしないのに“子供を作るだけ作って捨てた”と言う負い目が私に出来ると言う事です」
確かに傍から見れば、そう映るかもしれない。だが、実際にそうなった時にギルを恨めるかと言うと疑問だが……
「そして何より、交渉役の血筋断絶が避けられるので、ドリュアス家に“思い切った手”を打つ事が出来る様になる事です」
……暗殺。“思い切った手”と言われて、真っ先に思い浮かんだのはその言葉だった。
「まぁ、それもこれもディーネに手を出していない以上、絵に描いた餅に過ぎないのですがね」
そりゃそうだ。しかし、それと醜聞は話が別だと思うのだが……
「私としては、今後の付き合う貴族を選定する為の試金石になるので、別に噂が流れても問題ありませんけどね。ディーネの方は、価値が落ちると言う意味で言い寄って来る
貴族
(
バカ
)
が減るかもしれません」
……あれ? それって外に噂が流れた方が得になるのか?
「でも、その噂を信じた馬鹿が“どうせ傷物だろ”って、上から目線で“娶ってやる”と言って来るかもしれませんね。それどころか“どうせなら俺の相手もしろよ”と、せまって来るバカも居るかもしれません」
……無いわ。と言うか鳥肌が立った。
「それは絶対に嫌だ。如何にかならないか?」
「はい。如何にかしましょう」
ギルが笑顔で応えてくれたのだが、背筋が冷えたのは何故だろう? その理由は次の日に嫌と言うほど思い知らされた。
「ディーネさん。私の話を聞いていたの?」
「はい」
「では、なぜ下らない噂が消えないのかしら?」
「それは……」
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