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ちょっと違うZEROの使い魔の世界で貴族?生活します
外伝・閑話
外伝・閑話3話 ディーネの憂鬱
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ー》を常に一つは確保しておきたい。
異世界の名作に比べると、こちら側の物語はどうしても見劣りするのが辛い。それが無ければ人を多く雇って、数打ち作戦も使えるのに……。
楽曲はもっと大変で、お母さんが歌ってくれた歌を作曲家と相談しながら楽譜に起こすのだが、台本に対して曲数が少なすぎる。幸い作曲家達が頑張ってくれているので、こちらは何とかなるだろう。(インスピレーションが刺激された芸術家は、どうして私には理解できない事をするのだろう?)
そう言った状況もあって、私が一番力を入れなければならないのは新しい台本の作成だ。これは人に任せるのが難しいので、現状で(その作業が可能なギルとカトレア姉さまは、忙しくて対応出来ない為)私にしか出来ない作業となっている。とは言っても、私一人では遅々として作業が進まない。本当にお父様……を恨むぞ。
愚痴はこれ位にして、いい加減如何にかしなければ……
「と言う訳で、ギル。手伝ってください」
「無理」
「無理じゃない。書きかけの台本が幾つもあるのを、私が知らないと思ったのですか?」
「ぐぅ」
ギルが物凄く渋い顔をしている。私もギルにこんな顔をさせたくはないのだが、背に腹は代えられないのだ。それに最近はお父様の命令で、部下に仕事を任せる様になったのを知らなければ頼んでない。この引き継ぎが上手く行き、ギル自身の時間はかなり多くなっているはず。
「しかし、固有武器を作る為の研究時間が……」
「!? ……くっ」
ギルが、ようやくと言った感じで絞り出した反論。だがこれには、私も言い返す事が出来ない。ギルが言っていたコルシノ鋼やミスリルの加工方法の研究は、まだ取っ掛かりさえ見つかっていないと聞いている。そちらも、決して軽視できる案件ではない。
……
…………
重苦しい沈黙が続いたが、先に口を開いたのはギルだった。
「分かりました。完成度の高い台本を、二本だけ仕上げます」
「本当か!?」
「こんな事で嘘を言ってどうするのですか?」
「ありがとう!!」
私が礼を言うと、ギルは自室に閉じ籠って台本を書き始める。この時ギルが渋い顔をしている本当の理由に気付いていれば、後々あんなひどい目に遭わずに済んだのだろうか?
あれから一週間程で、ギルから二本の台本原稿が届いた。そのタイトルには“傷ついた姫と不良騎士”“鏡映しの王子”と、書かれている。
一本目の“傷ついた姫と不良騎士”は、架空の国の王位継承権めぐる争いを描いた作品だった。(台本の端に書いてあるルイズ向けとはどう言う事だろうか?)
付属されていた“粗筋 ネタバレ注意”と、書かれたメモを読んでみると……
ある国に賢王と呼ばれ
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