第四十四話 薊達の決意その八
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「妖怪だとな」
「普通よね」
「それ位はな」
「驚くこともないわね」
「人を驚かすことは妖怪のお仕事だから」
智和もこのことを笑って言った。
「だからね」
「特に言うことはか」
「ありませんか」
「そう、こちらも驚いてあげればいいから」
「妖怪さん達に合わせて」
「そうしたらいいんですね」
「そうだよ。とにかくフランケンシュタイン博士の話もあって」
智和はまたこの話に戻した。
「錬金術にはそうした一面もあるってことはね」
「頭の中に入れておいてか」
「考えていくといいんですね」
「そうだよ、まあ僕の錬金術の知識は浅いから」
「あの博士にか」
「お会いして」
「詳しくお話してみるといいよ」
薊達八人のこと、そして怪人達のことをというのだ。
「色々とわかるかも知れないから」
「じゃあ先輩が連絡してからな」
「皆で博士のところに行ってきます」
「博士はいつもご自身の研究室におられるよ」
八条大学のそこにというのだ。
「あそこはあそこでかなり不思議なところだけれどね」
「不思議?」
「不思議っていいますと」
「行けばわかるよ」
智和はこのことは楽しげに笑って多くは言わなかった。
「そうすればね」
「行けばか」
「その時に」
「うん、どうした場所かね」
こう話してだ、そしてだった。
智和は実際に博士に連絡をしてだ、そのうえで。
薊達に連絡をした、それからだった。
八人、そこに裕香も入れて九人になりまずは大学に入った、全員で大学の中に入って博士の研究室に向かって歩きつつだ。
その中でだ、薊は皆に深く考える顔で言った。
「若しかしたらな」
「遂にね」
「色々わかるかも知れないのね」
その薊に菖蒲と菊が応える。
「私達のこと、それに」
「怪人連中のことが」
「身体検査も受けたしな」
これはもう済んだ、智和が薊達と話をしてから博士に連絡して薊達が今ここに来るまでに。
「後はな」
「はい、ここで」
「博士が何をお話してくれるか」
「それだけね」
桜と向日葵、菫も言う、そして鈴蘭と黒蘭もだった。
「科学や歴史だけでなく魔術、錬金術にも通じている」
「そうした人なら」
「本当にわかるかもな」
薊の言葉には期待もあった。
「あたし達のことも怪人達のことも」
「期待出来るわね」
裕香も切実だった。
「薊ちゃん達の身体のことがわかることも」
「だよな、ただな」
「ただ?」
「こうして火とか出せるのは気ってわかるからな」
このことは、というのだ。
「特にいいな」
「そうなのね」
「それよりもあれだよ」
「あれ?」
「ほら、こうしてな」
言いながらだった、早速。
薊はその手に棒を出してみせた、そうして言うのだ。
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