4部分:第四章
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身分の違う者達が同じ部屋で同じものを食べるなぞ想像もできないことだった。特にそれがかなり強固だった欧州の社会においては。平清盛が冬の外で仕事をしている下人達に部屋の中に入るように言うといったことすら考えられない程の社会だったのだから。
「ですから私はここで」
「そうか。じゃあ僕だけか」
「ええ。ただしです」
「ただし?」
「あくまで私の気苦労ならいいですよ」
念を押すフリッツだった。
「若旦那様」
「うん」
「鏡をよく御覧になって下さい」
「鏡を?」
「そう、鏡をです」
こう言うのである。
「それもよく」
「鏡に何かあるのかい」
「御覧になられればわかります」
また同じ意味の言葉を繰り返す。
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