第三幕その四
[1/2]
[8]前話 [1]次 最後 [2]次話
「私は貴方達のことを考えるとね」
「気球をですね」
「借りるべきだと思うわ」
そして山脈を越えようというのです。
「是非ね」
「ううん、それじゃあ」
「図々しいとは思いますけれど」
「折角のご好意ですね」
「羊飼いさんが言って仰ってくれるなら」
「僕達としては」
これが五人の返事でした。
「お願いします」
「そうして頂けなら何よりです」
「気球使わせて下さい」
「是非」
「お借りさせて下さい」
「わかった、ではな」
羊飼いさんは五人の返事に笑顔で応えました、そしてです。
皆にです、こう笑顔で言いました。
「わしの家に行くか」
「はい、そしてですね」
「そのうえで」
「わしが気球を出すからな」
そしてというのです。
「一旦来てくれ」
「わかりました」
五人は羊飼いさんに応えました、そして。
ベッツイ達も一緒に行きます、羊飼いさんのお家に入った時にです。
ベッツイは羊飼いさんにです、こう言いました。
「久しぶりにお会い出来ましたし助けてくれますし」
「何かのう」
「お昼ご馳走しますね」
「いやいや、そんなのはいいよ」
笑ってです、羊飼いさんはベッツイに答えました。
「別に」
「それではお昼を一緒に食べませんか?」
羊飼いさんが遠慮したのを受けてです、今度はこう提案しました。
「どうでしょうか、それなら」
「お礼じゃなくてかい」
「はい、ご一緒になら」
「ふむ、好意を断るのはな」
お友達のそれをです。
「失礼じゃしな」
「それではですね」
「わしも一緒に食べさせてもらっていいか」
「はい、是非」
「それではな、これからな」
「一緒に食べましょう」
「あのテーブル掛けから出すのじゃな」
羊飼いさんもこのことを知っているのでした、テーブル掛けのことを。
「そうじゃな」
「はい、そうです」
「それでは羊を出すか」
「マトンですか?ラムですか?」
「ラムがいいのう」
羊飼いさんが食べたいのはこちらでした。
「今日は」
「ラムですね」
「最近オズの国も料理が増えた」
それで羊飼いさんもというのです。
「わしも色々食べる様になったがな」
「そうですね、私が最初にこの国に来た時よりも」
「料理が増えたわ」
「食材も」
「それでわしも色々食べる様になったが」
「羊料理もですね」
「シシケバブも好きでな」
そして、というのです。
「ジンギスカン鍋も好きじゃ」
「和食ですね」
恵里香がその料理の名前を聞いて言いました。
「あのお料理ですね」
「あれは確か元々日本の料理じゃったな」
「はい、そうです」
恵里香は羊飼いさんに日本人として答えます。
「北海道の方のお料理です」
「北海道?」
「日本の北の方
[8]前話 [1]次 最後 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2024 肥前のポチ