暁 〜小説投稿サイト〜
フェイト・イミテーション ~異世界に集う英雄たち〜
ゼロの使い魔編
第二章 天空の大陸 アルビオン
トリステインの王女
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「何ですって!?よりによってあの野蛮な成り上がりの国に!」
ゲルマニアと言えばキュルケの祖国であるはずだが・・・。仮にも級友の国にあんまりな言い方であるが、日頃の二人のやり取りを見ればまあそれも致し方ないのだろうか。
「仕方がありません。小国である我がトリステインを守るためにも、ゲルマニアとは強い同盟関係が必要なのです。」
「そのために姫様が・・・。御国の為とはいえそれはあんまりです。」
「私は気にはしていません。ただ・・・その前にどうしてもやらなければならないことがあるのです。」
「何ですか!?もし私がお力になれることでしたら何なりとお申し付け下さい!」
「ありがとう、ルイズ。」と曇らせていた顔を少しだけ微笑ませ彼女は続けた。
「実は、今回の政略結婚はアルビオンに対抗するためのものなのです。」
アルビオンとは別名『白の国』と呼ばれており、現在は貴族たちの反乱により国は大きく乱れている。さらに王宮派は既に風前の灯火状態にあるのだ。
「もはや反乱軍の勝利に終わることは時間の問題です。そしてアルビオンが墜ちれば、次に狙われるのはここトリステインです。当然、アルビオンはこの同盟を良しとはしません。如何に小国のトリステインでも、ゲルマニアという大国と組まれてはそう迂闊に攻め込むことは出来ませんから。」
「それで・・・まさか!?」
「ええ。そのアルビオンに、この婚姻を破談にできるかもしれない要因が残されているのです。」
「それは一体・・・。」
「手紙です。私がアルビオン皇太子である、ウェールズ様に宛てた一通の手紙。内容までは言えませんが。」
そうは言ってもある程度は予測できる。恐らく恋文の類であろう。ルイズも架もそれを察し敢えて口にしなかった。
「でも王宮側はもう後がないと聞きます。こんな危険な任務、他の誰にも頼めず・・・」
「姫様!どうか、どうか私に命じて下さい。その大役、きっとこのルイズ・フランソワーズが成し遂げてみせます!」
「ルイズ、ああ、ありがとう!」
涙を滲ませながら礼を言うアンリエッタ。だが、ここで今まで黙っていた男が口を開いた。
「ルイズ、悪いが俺は反対だ。」
「「えっ!?」」
架のきっぱりとした言葉に、ルイズだけでなくアンリエッタも驚いていた。
「どうしてよ、架!何で反対なのよ!」
「当たり前だろ。そんな危険な場所に行くのを使い魔として見過ごせるわけがない。」
「でもこれは国全体の問題なのよ!」
「だからこそ、だ。」と架はアンリエッタの方に目を向けた。
「姫殿下には無礼を承知で申し上げる。別にトリステインがどうなろうと知ったことではない、とまでは言いません。しかし、これが国家レベルでの話であるならばなおのこと、このような一介の学生
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