暁 〜小説投稿サイト〜
フェイト・イミテーション ~異世界に集う英雄たち〜
ゼロの使い魔編
第二章 天空の大陸 アルビオン
トリステインの王女
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は。
ゆっくりと歩を進めながら、シロウって人はセイバーって人に聞いた。
「セイバー、分かるか?」
「・・・ええ、微かですが人の気配を感じます。誰かいるのは間違いないでしょう。」
「まあ、人違いの可能性も高いわけだしね。念のためってことで調べて・・・・・」
トオサカが話していた時だった。
――――――――――――!!!!
「っ!?」
「何!?今の!?」
唐突に聞こえたのは悲鳴のような雄叫びだった。
それを聞いた瞬間、シロウが廃屋に向かって走り出した。セイバーは何も言わずそれに続く。トオサカは「あ、ちょっと!?」と言いながらやや遅れて走り出した。
私はというと、シロウとほとんど同じタイミングで駆け出していた。だってあの声はきっと・・・。
「俺はこっちを探す!セイバーは向こうを!」
「はい!」
私は二手に分かれた内のセイバーの方に付いて行った。向かったのは地下へと続く階段。
―――――うああああああ!!
―――――来るな! 来るなああああ!!
今度は純粋な悲鳴。さっきのとは違う人みたいだけど、こっちで正解だったのかも。
階段を駆け下りて、廊下を進み一番奥に扉があった。そして、セイバーがそれを開け放つと、
そこには地獄が待っていた。
いくつも床に転がっている人たち。
床や壁に飛び散っている血。
そして、そんな中一人だけ立ちつくしている血まみれの男。
あまりに悲惨な光景に何も言えない私たちに、やがて男はゆっくりとこちらを振り返った。
その顔を見た瞬間、私は悲鳴を上げようとして・・・
「・・・・・っ!!」
ガバッと起き上がると、そこはいつもの私の部屋だった。着ているネグリジェは汗でグッショリと濡れてしまっている。
「夢・・・だったの?」
いや違う、と言い切れた。最後に見たあの顔、忘れもしない彼と初めて出会った時と全く同じだ。
「要するに、あれって私がカケルを呼び出す直前の出来事ってわけ・・・?」
ふと横を見てみると、当の本人が藁を敷いた床でスヤスヤと眠っている。とても穏やかな顔、あの時の形相が嘘みたい。
ここ最近ずっと一緒にいて、彼のことが少しずつ分かってきた、そう思っていたのだが。
「よく考えてみると、知らないことだらけなのよね・・・」
彼の生い立ちはざっくりとだが聞くことはできた。しかし、彼はなぜ自分のことを『出来損ないの魔術師』と呼ぶのだろうか。そもそも魔術師とは何なのか。以前言っていた『施設』とは何なのか。夢に出てきたあの人たち、特に架と同じセイバーと呼ばれた人は誰なのか。そして、なぜあんなことに・・・。
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