11部分:第十一章
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して考える顔になって述べるのだった。その言葉は。
「まずはこの旅を続けるよ」
「まずはですか」
「けれど。面白いとは思ったよ」
素直に己が感じたことを述べるのだった。
「妖精についてね。だから」
「だから?」
「帰ったら色々と調べてみよう」
こうフリッツに述べるのであった。
「そしてそれを書き残しておくよ」
「左様ですか」
「それもいいよね」
今度は彼が問うた。
「それで。書き残しておくのも」
「はい。それでいいと思います」
彼にしてもそれで異論のないことであった。何しろ今しがたどれが正しいか間違っているかということは言えないということを述べた本人であるからだ。
「それもまた」
「では僕が選ぶのはそれだ」
今選んだことも告げた。
「それをね。やるから」
「わかりました。それでは」
「そうするよ。それじゃあ」
ここで立ち上がった。
「行こうか。また」
「旅にですね」
「まずはそれだよ。ひょっとしたらまた妖精に会うかも知れないしね」
「今度はどうなるでしょうか」
「何が出て来るか」
二人はそれぞれ述べた。
「大変なことになるかも知れないけれど楽しみでもあるし」
「はい。それでは」
「行こうか」
こうして二人は再び旅をはじめるのだった。この旅から帰ったハインリヒはその言葉通り妖精に関しての研究をはじめ彼等に関することを本として残した。後に彼の話はグリム兄弟達が聞き編集され今も残っているという。この話はグリム兄弟がまとめたものではないが他の研究者が編集したものでその書の中にある話の一つだ。彼が実際に体験した話なのかどうかはわからないが妖精というものの行動の一つを書き残しているものなのは確かであり今ここに紹介しておくことにする。この旅を遂げた二人のことを伝える為にも。
鏡に映るもの 完
2008・11・25
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