異変終了ー日常ー
Part16 最強の氷精と闇を操る人喰い妖怪
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かれる事なく罠を仕掛けることは出来まい。
純粋な速度勝負はさっき負けたからやれない。
……あ、いい方法考えた。
これならイケるかもしれない。
咲夜さんやレミリアお嬢様に見られれば、俺は白い目でこれから見られるかもしれないが、ここにあの二人はいない。
勝てば良かろうなのだ。
「二人ともー、降参でーす!出てきて下さーい!」
そう叫ぶと、二人は近くの木の影から出てきた。
やっぱり近くにいたか、罠なんて仕掛けなくて正解だったな。
「はっはっはー!やっぱあたいサイキョー!」
「有波は大した事ないのかー!」
勝者の高笑いをする少女二人。
でもな、ルーミアにチルノよ。
誰も『ゲームを降参した』とは言ってないんだぜ?
「はい、二人とも確保です」
「「え?」」
肩にポンっと手を置いてそう言うと、二人は変な声を上げて目を丸くした。
「え?では無くて、二人は同時に私に捕まったのですから、これで終了です」
にっこり笑ってそう言うと、二人は抗議した。
有波は降参した!降参した後に捕まえるなんておかしい!と。
しかし、
「私は追いかけて捕まえる事を降参したのです。誰もケイドロを降参した、とは言ってませんよ?」
絶句するルーミアとチルノ。
これが人間の恐ろしさよ。
人を信用する方が悪い、出て来る方が悪い。
「うー……」
なんか納得してないような表情で俺を睨み付けるルーミア達。
でもこの選択は最善じゃない?
絶対に捕まえられない相手に努力して、数時間ほど汗水垂らして捕まえるより、騙して楽に勝った方が得だよね。
相手が納得するかしないかなんて、結果の前では等しく無意味なのだ!
「……もういい、人里への案内はしてあげない」
「え?」
「だよねぇ。あれはズルすぎるし、私達も約束破りたくっていうか」
「スンマセンした。次からは正々堂々するので許して下さい」
かくして、この後に数十分ほどケイドロに参加させられた俺は、全身のスタミナを使い果たした。
……悪いことはするもんじゃないね。
ケイドロが終わり、一時間。
俺はようやく人里まで来れた。
道はチルノとルーミアに案内してもらい、護衛してもらい、ようやくここまで辿り着いた。
更に二人は紅魔館の所を知っているらしく、帰り道も付き合ってくれるみたいだ。
ありがてぇ、実にありがてぇ。
「さて、人里の酒売り場はどの辺りかな?」
人里は、『里』というだけあって中々小さかった。
家は木造。大きさは全体的に小さく、歩く人々の服装は質素な布だ。
見る限り戦闘能力を持っているようには見えないが、人里の守護者が守ってい
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