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とあるβテスター、奮闘する
つぐない
とあるβテスター、慟哭する
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で何と言おうと、いくら悪役《ヒール》を演じた道化のつもりでいようと、結局は───こんなものか。
何の感慨もなく、無感動に。ただただ人を殺す、仲間殺しの犯罪者。
邪魔だから殺す。気に食わないから殺す。目には目を、歯には歯を。殺人鬼には死の償いを。
アバターの死が現実の死とリンクした今となっても、僕の本質は、あの頃と何も変わっていないのかもしれない。
サチを殺した連中と、同類なのかもしれない───

「……ごめん、変なこと言って。ちょっと、予想以上に参ってたみたい」
「………」
「大丈夫、本当に殺したりなんてしないよ。……そんなことよりも、今はゆっくり休んで、明日からの攻略に備えないとね」
シェイリは、何も言わなかった。
何も言わずに、僕の髪をそっと撫でる。

「……ちょっと、やめてよ。そんな風にされると、僕、自分が子供になったみたいで泣けてくるからさ」
僕の抗議も無視して、シェイリは頭を撫で続ける。
そんな彼女の手を払いのけようと思う心とは裏腹に、僕の手はぴくりとも動かなかった。

「だから、やめてってば。僕は大丈夫だから」
そうだ、僕は大丈夫。こんな風に慰めてもらう必要なんてどこにもない。
だって、僕は《投刃》だから。人殺しのオレンジだから、人が死んだって悲しむことはない。

顔も知らない誰かが、黒猫団のみんなを───サチを殺したように。僕はあの頃、自分を追ってくるプレイヤーたちを殺し続けてきた。
無感動に、無感情に。殺し、殺して、殺し尽くしてきた。
そんな僕だから、サチが死んでしまったことを悲しむよりも先に、復讐のことばかり考えてしまうんだ。
サチのためなんかじゃなくて、僕自身が、復讐にかこつけて殺してやりたかっただけなんだ。

「やめてって……言ってんじゃん、ばかシェイリ……」
シェイリは何も言わない。その小さくやわらかな手が、僕の髪を撫で続ける。

もういいじゃないか。
もうやめてよ。
僕は、サチが死んでしまったことを悲しむよりも、相手への復讐のことしか考えられない、そんな薄情な奴なんだよ。
ただ、自分が殺してやりたかっただけなんだよ。
全部全部───自分のためなんだよ。

だから、そんな目で見ないでよ。そんな風に頭を撫でないでよ。
僕は悲しんでなんかない。
悲しんでなんか、ないのに───

「う、あ……、ああぁぁあ……っ!」
───限界だった。
どんなに忘れようとしても。所詮は僕も同類の人殺しなのだと、自分で自分を貶めてみても。
この胸の疼きは、殺戮への渇望は、少しも消えることはなかった。

「ああぁぁあぁああああっ!!」
恥も外聞もなく、優しく髪を撫で続けてくれるシェイリの身体にしがみつき、声を上げて泣き叫んだ。
叫び声《シャウト》は部屋の外にまで聞こえてしま
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