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とあるβテスター、奮闘する
つぐない
とあるβテスター、慟哭する
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いる僕と関わったら、相手まで嫌な思いをする。関わった相手にまで、辛い思いをさせてしまう。……そんな風に、自分を誤魔化していたんだ。
だけど、結局のところ、僕は自分が傷付くのが怖かっただけで。人と関わりたいと思いながらも、相手に拒絶されることを恐れて、自分から遠ざけていただけだった。
自分が抱えた矛盾に気が付かないほどに、あの頃の僕は、誰かと関わり合いを持つことを怖がっていた。シェイリのやや強引とも取れた行動は、そんな僕を見兼ねてのことだったのだろう。
そんな彼女の後押しのお陰で、僕は自分から、リリアと友達になりたいと思うことができた。―――なってもいいのだと、思うことができた。

―――それに。

ルシェと週に一度だけ、会うようになったのも。その中で、サチと知り合えたのも。
あの時、シェイリが僕の背中を押してくれなければ、僕はこの二人と関わりを持つことはなかっただろう。ルシェからお礼をしたいと言われても、何かと理由を付けて断っていたはずだ。

正直に言えば、誰かと関わりを持つことは―――相手に拒絶される可能性があるということは、あれから数ヶ月の時が経った今でも、未だに怖いと思ってしまう。
だけど、それを言い訳にして自分から遠ざけていたのでは、今までと何も変わらない。
自分が周りからどう思われていようと、それでも構わないと言ってくれた相手の好意まで、わざわざ自分で否定することはない―――あれから僕は、ほんの少しずつではあるけれど、そう思えるようになっていた。

「はじまりの街の裏道に、さ。中はすっごく狭いんだけど、紅茶のおいしい喫茶店があって。僕、そこでルシェと……、サチも一緒に三人で、よくお喋りとか、してたんだ。たった一時間くらいの間だけだったけど、二人がお喋りしながら笑い合ってるのを見ると、何だか僕まで楽しくなってきちゃってさ。こういう時間も悪くないなぁって、思って……」
「……うん」
もう二度と戻ってこない日々を、二度と見ることのできない彼女の顔を思い出し、涙が溢れそうになる。
気を抜くとすぐにでも零れ落ちてしまいそうになる嗚咽を抑え込みながら、震える手で両膝を押さえつけた。
この涙は、この手の震えは、悲しみからくるものなのか、それとも───

「シェイリも一緒に行こうって、そのうち誘うつもりだったんだよ。サチを紹介してくれた時のルシェは、すごく自慢げで、すごく……嬉しそうだったから。今度は僕が二人に、シェイリのことを紹介してあげたかった。この子が僕のパートナーだよって、二人に自慢したかった。 ……会わせて、あげたかった」
二人がずっと親友同士でいて欲しいと、僕は願った。
そんな僕の願いを嘲笑うかのように、それからたった一週間後に、サチの命は奪われてしまった。
それも、他のプレイヤーに殺されるという最悪の形で
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