第1話
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なのか? それは少々意外だな……君は一見無愛想だが優しいところはあるし」
「あの、俺の恋愛事情とかが部活に関係あるんですか? 関係ないなら話を進めてほしいんですけど」
ラーメンを食べた平塚先生と違って俺はまだ何も食べていない。あまり食べるほうではないが、人並みに食欲はある。昼休みはまだ終わりはしないが、食事をしてから多少はゆっくりしたいものだろう。
「う、うむ……関係あるといえばあるし、ないといえばないのだが」
「はっきりしませんね。まあいいです……それで先生は俺を何の部活に入れようと思ってるんですか?」
「それはだな……」
「あぁーやっぱりいいです」
平塚先生が慌てた様子でまだ話していないと食い下がってくるが、何とも言いがたい微妙な顔を見せられては楽しい青春が遅れる部活動ではないだろう。
俺は今の代わり映えのない毎日を気に入っているし、このまま平凡に卒業まで過ごせたらと思っている。自分から危険や面倒事に首を突っ込む必要はあるまい……
「夜月、君は私の話を聞くと言ったじゃないか。なのに全てを聞かずに答えを出すというのか。答えというものはきちんと話を聞いてから出すものだぞ。というか、話を聞くと言ったんだから最後まで聞け。お前みたいな奴がいるから世の中には幸せになれない女がいるんだぞ!」
そりゃ話を聞くって言ったのは俺ですけど、最後のに関しては俺は悪くないでしょ。というか、あなたさっき俺のこと良い男みたいな感じに言ってませんでしたっけ。結婚とか真剣に考える時期だってのは分かりますけど、高校生相手に八つ当たりするのはやめてもらえませんか。
「分かりました、分かりましたから落ち着いて機嫌を直してください」
「いやダメだ。君の振る舞いは私を大いに傷つけた。なので放課後またここに来い。もし用事か何かで居なかったらメモを置いておくから、それに指示された教室に行け。分かったな?」
いやいや、それは横暴すぎる……はい、分かりましたよ。だから睨むのやめてもらっていいですか。俺、愛想がないから怖がられているのか人からあまり呼び捨てにされたりしないほうですけど、ケンカとかはほぼ経験がないですから。
なので平塚先生と殴り合って勝てる自信はないです。まあそんなことになったらお互いに面倒なので実際には起こりえないでしょうけど。
「分かりました……じゃあ放課後」
「うん、待っているぞ。……夜月、ちゃんと来るんだぞ」
「平塚先生に呼び出されてるのに行かないわけないじゃないですか」
行かなかったらあとで何をされるか分かったものじゃないし。この学校の教師の中で誰を1番敵に回したくないかと言ったら断トツで平塚先生だ。悪いことをすれば多少の体罰はありだと思ってはいるが、この人のはさすがに怖い。機嫌を損ねるような真似
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