第1話
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かったんですか?」
「いいから答えろ。君が思っている以上に女という生き物は、冷たくされている感じなのに急に優しくされると勘違いするものなんだ。教師として君が腐った男ではないか知っておく必要がある」
普通ならば答えなくてもいいはずなずなのに、どうしてこうも妙に真面目に答えないといけないと思ってしまうのだろう。
あれか、あれだろうか……平塚先生の実体験のようなものが感じられるから同情でもしてしまっているのだろうか。まあ何であれ、別に答えられないことではないし、変に誤解されるのも面倒だ。ここは素直に従っておこう。
「してるつもりはありませんけど。女子とは挨拶や事務的な会話くらいしかしてませんし、愚痴とか聞いている相手も平塚先生くらいですから」
「そ、そうか……私だけなのか。そうか……なら問題ないな」
どうやら納得してくれたようだが……一般的な納得とどこか違うように思えるのは、俺の気のせいだろうか。何やらほんのわずかばかり寒気のようなものを感じたのだが……。
……前にこの人が生徒の頬すれすれにパンチを繰り出したのを見たことがある。
そのときの平塚先生の目は実に恐ろしいものだったので、そのせいで俺は無意識にこの人のことを恐れているのかもしれない。納得してもらえなかったら鉄拳が飛んでくるのでは? と気が付かないうちに怯えていたのだろうか。……そういうことにしておこう。この話題に踏み込むのは危険な気がするし。
「話を戻そう……君に友達はいるか?」
急に真面目な雰囲気になったが、どうして俺は友人関係を心配されるのだろうか。確かに平塚先生と話したときはいつもひとりだったし、俺は愛想が良いほうではないけれども。
「多少は」
「それは少ないということだな?」
「まあ上辺だけの付き合いの相手を友人と思ってはいませんし、自分を偽ってまで他人に付き合いたいとは思ってませんから。そういうのは必要な時だけにしたいですし」
これは俺個人の考え方なので納得してもらう必要はない。ただ否定されるのはご免だ。友人という定義は人によって幅が異なるはずなので、自分の意見を押し付けるのはやめてもらいたい。あんたはあんた、俺は俺なのだから。
「なるほど……ちなみに私のとき――いや何でもない。話を進めよう……夜月、彼女とかはいるのか?」
友人の次は彼女ですか。あなたはいったい何を話したいんですかね。俺の交流関係を知って何の得があるんですか。
というか、彼女『とか』って何だよ。別に同性愛とか腐女子の存在を否定するつもりはないけど、俺の恋愛対象は普通に異性だけだから。あいにく彼氏とか作るつもりはないからね。まあ彼女に近い相手のこととかを含めたかっただけかもしれないけど。
「生まれてこの方居たことはないですけど」
「そう
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