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歌集「春雪花」
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 春の田の

  陽も注ぎしや

   雪解けの

 わが袖濡らすは

      露か涙か



 田んぼの雪も、晴れ間の暖かい陽射しで随分と解けてきた。
 そんな暖かい日和に、私の袖は濡れているが、これは雪解けの滴り落ちた水か…不意に溢した私の涙か…。



 恋し君を

  想いしわれの

    灯火は

 いずれは消えし

    今日の夕暮れ



 こんなに恋しい…会いたい…と想い続ける私も、いつかは蝋燭の明かりの様に消えていなくなる…。
 夕暮れ時、淋しさはつのって…それを一層実感するものだ…。

 この先、私はいつまでも苦しむのか…?
 疲弊する私を馬鹿にする者はあっても…抱いてくれる者はいない…。

 淋しいものだな…。




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