番外編032話 if 真・恋姫無双編 02話
[4/6]
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
呟くアクセル。
その眼前には薙刀と槍が合わさったかのような……俗に青龍偃月刀と呼ばれる武器が突きつけられていた。
「盗賊が桃香様に何のつもりで近づいた! 言え!」
黒髪をポニーテールにしている女の言葉に、微かに眉を顰めるアクセル。
別にこれといって何をした訳でもない。ただ、道を歩いている途中草原で眠っている人物を見かけ、人のいる場所を聞こうとした。
それだけの筈だったのが、声を掛けようとしたところで少し離れた場所にいた目の前の女が鼻息も荒く、持っていた青龍偃月刀を突きつけてきたのだ。
「ご主人様と鈴々が別行動をしている今、桃香様はこの関羽がお守りする!」
その名乗りに、再びアクセルはどうしてこうなった、と内心で呟く。
関羽。即ち、蜀の王となる劉備に仕えた武将であり、後に神格化までされた存在。
(何度も思うが、どうしてこうなった……)
関羽と言えば、美髭公とも呼ばれる存在だ。少し前に遭遇した曹操と同じく、女であるが故に髭ではなく髪が美化されているのだろうが、それでもこうして刃を突きつけられる覚えはなかった。
(こいつの言うご主人様ってのが、恐らく劉備なんだろうが……そうなると、この桃香ってのがまさか張飛だったりするのか? いや、鈴々ってのがいた筈だけどそいつは……孔明だったりするのか?)
眼前の出来事に内心で大いに戸惑いつつも、まずは誤解を解くべく口を開く。
「別にその女にどうこうするつもりはない。ただ、俺は聞きたい事があっただけだ」
だが、その言葉が悪かったのだろう。アクセルの言葉を聞いた関羽が、視線に殺気を込めて睨み返す。
「その女、だと? 桃香様になんという口の利き方を……」
「いや、そもそも名前を知らない相手にどうしろと」
「ううーん……何ぃ?」
寝ていたとしても、自分のすぐ近くでこんなやり取りをしていれば気が付かない筈もなく、関羽に桃香と呼ばれた女が目を擦りながら周囲を見回す。
そうして視界に入ってきたのは、自らの妹分とその妹分に刃を突きつけられている男。
何が起きているのか全く分からないまま、ともかく妹分を止めなければならないと判断して口を開く。
「ちょっと愛紗ちゃん! 一体何してるの!?」
「桃香様、この者は寝ている桃香様に近づいてきた不審人物です。ご主人様から桃香様の安全を任されている以上、見過ごす事は出来ません」
「待って待って待って。この人が本当に不審人物かどうかなんて分からないでしょ? えっと、えっと……その、うちの愛紗ちゃんがすいません。その、何か用事でもあったんでしょうか?」
慌てて取りなすように伝えてくる桃香の言葉に、アクセルは再度言葉を口にする。
「ちょっと街までの道を教えて欲しいと思って近づい
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2024 肥前のポチ