番外編032話 if 真・恋姫無双編 02話
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アクセル。
「貴様ぁっ! 華琳様に向かって盗賊だと!?」
大剣がどこへともなく蹴り飛ばされて呆然とした春蘭だったが、自らの命よりも大事にしている曹操を盗賊呼ばわりされては我慢出来る筈もない。
武器がないのなら素手で殴ろうと拳を振り上げ……
「春蘭、止めなさい! これ以上私に恥を掻かせないで!」
鋭い叱責の声が曹操の口から飛び、春蘭は動きを止める。
その様子を一瞥すらせず、アクセルはその場を去って行く。
それを黙って見送るのは曹操。
自らの右腕とも言える春蘭が引き起こしたこの騒動は、自分の名声をこの上なく傷つける。だが、口を封じるにしても春蘭の腕を圧倒的に凌駕するだろう武の腕を持つ相手にどうこう出来る筈も無く、ただ曹操が出来るのはこれ以上相手に悪印象を抱かせないように黙って見送るだけだった。
今回の件で、これまで必死になって高めてきた自らの名声が地に落ちるかもしれないという恐れをその胸に抱きつつ。
そんな曹操達から大きく離れた場所。そこに生えていた木の影からアクセルが姿を現す。
「……取りあえず魔法の類は問題なく使えるか。魔力の消費も許容範囲内だしな」
周囲を見回しながら安堵の息を吐く。
もしもここが魔法の類を使えない……より正確にはSPの消費が激しい世界であれば、アクセルの混沌精霊としての力も無意味に等しく……とまでは言い過ぎだが、大きく制限されていたのだろうから。
「魔力はともかくとして……」
一端言葉を止め、先程の出来事を思い出す。
「曹操が女とか……どういう世界だよ。もしかして俺に斬りかかってきたあの女とか、弓を持っていた女も有名人だとか言わないよな? いや、そもそも三國志自体殆ど詳しくないんだが」
呟いた通り、アクセルは三國志に関しては殆ど詳しくない。
精々劉備、曹操、孫権といった有名所を始めとして、名前の通った人数を多少知っている程度だ。
「真名とかいう慣習があるのを考えれば、恐らく何らかのゲームやアニメ、小説、漫画といった世界なんだろうが……」
そう予想は立てられても、その原作を知っていなければどうしようもない。
アクセル自身は気が付かなかったが、ネギま、マクロスF、マブラヴといった世界と同じパターンだった。
マクロスFのみは過去作を知っていたから、そこまで困らなかったが。
「ともあれ、このままここにいてもしょうがない。何をするにしても、街に行くのは必要だろう」
呟き、周囲を見回すもどこにも人の姿はない。
それでもどちらに向かえばいいのかと考え、適当に道端に落ちていた木の枝を放り投げ、その先端が向いた方に歩いて行った……のだが。
「どうしてこうなった」
うんざりとした表情で
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